夫婦愛を育む 54
「私すごい?」

ナビゲーター:橘 幸世

 現在放送中のNHK朝ドラ『まんぷく』を楽しく見ています。

 その主題歌「あなたとトゥラッタッタ」、初めて聞いた時に好きになってしまいました。耳に残るメロディーとともに、歌詞が気に入っていて、特に「付き合う、あたしすごい?」の部分が好きです。

 主人公の福子は、良妻賢母のお手本のような女性。社会的地位や経済的安定よりも、“夫が本当にやりたい事”を優先します。「あなたは発明家ですから!」と夫の真価を見抜いて、それを生かす生き方をサポートします。

 そこに悲壮感や義務感はありません。笑顔で、自身の意思で、夫を支えます。本当にこんなにできた良妻賢母がいたのだろうか、どうやったらこんな女性に育つのだろうと、ドラマのモデルとなった、安藤仁子さんについて調べてみました。

 彼女の波乱万丈の人生を生きる秘訣は、「クジラのように全てをのみ込む」こと。これは、母・須磨さん譲りの教えだったそうです(ドラマで描かれている母・鈴さんとは人物像が異なるようです)。やはり、何事も受け入れるところから前に進めるのですね。

 本題に戻りますが、主題歌では、そんな自分を「頑張ってるね。偉い」と褒めます。

 私は料理がとても上手にできた時、例えばブリ大根がとってもおいしく煮えた時、食べながら「う~ん、私って天才?」と言いたくなります(主人は「天才、天才」と返してくれます)。

 ラジオで男性ゲストが、車が故障して調べていたら問題点にピンと来て、修理がうまくできた時の話をしていました。そしてその男性は「俺って天才かなぁ?って、思いましたよ」と言ったのです。「あ、やっぱり?」と、自分が何かできてうれしい時、同じように感じるんだなと思いました。

 料理がおいしくできない時もあるけれど、修理ができない時もあるけれど、夫を上手に励ませない時もあるけれど、できた時、頑張った時、どんどん自分を褒めましょう。自分にたくさんの丸や花丸を付けて、自分を愛(め)でましょう。

 人間は「神様の傑作品」だと真のお父様は言われました。
 傑作品は、褒めたたえないといけないですね。作品の制作中(成長途上、再創造途上)であっても、うまくできた部分は褒めて、うまくいかなかったらやり直せばいいのです。何より、自分を肯定しないと、人から褒められた時、素直に受け取れません。