「幸せな結婚」を考える 45

第10章 結婚にまつわる三つの勘違い

結婚は難しい?(1)

ナビゲーター:長岡 高史

 昨今、若者の結婚離れが進んでいます。
 結婚離れの一つの原因として、そもそも結婚というシステムが難しいと言うことができます。

 それもそのはず、もともと他人だった男女が結婚をすることで家族になるのです。「好きな人とずっと一緒にいられる」というロマンチックな思いは長くは続きません。
 生活習慣の違い、価値観の違い、性別の違い・・・、さまざまな壁にぶつかります。二人で見事に乗り越える夫婦もいれば、そうでない夫婦もいます。
 3人に1人が離婚すると言われている昨今、「結婚=幸せ」とはなかなか言い切れなくなってしまいました。

 しかし若者の結婚離れは、今に始まったことではありません。1980年代後半から、若者の結婚離れが叫ばれていたのです。しかしそんな若者たちも「恋愛」はしていました。責任を伴う結婚は先延ばしし、恋愛のような責任を伴わない関係を楽しんでいたということでしょう。

 そして現代、若者は「恋愛」すらしなくなったといわれています。
 「恋愛離れ」の理由は何でしょうか? 「真実の愛に気付き、結婚前には交際をしない」という純潔思想から来るのであれば、聞こえは格好いいですが、どうやらそうではないようです。

 その理由は一言、「面倒くさいから」だといいます。それまでは仲の良かった友人関係が恋愛関係に発展すると、急に抜き差しならない関係になります。要求、束縛、嫉妬、時に傷つき、傷つけられ・・・、そのような関係が面倒くさいのだといいます。しかし、ある社会学者は、その背後にある本当の思いは「傷つきたくないから」と指摘します。
 「結婚は難しい」「恋愛を楽しむ」時代が過ぎ去り、現代は「結婚も難しく、恋愛も難しい」という時代に入りました。

 なぜ、結婚は難しいのでしょうか?
 なぜ、恋愛は難しいのでしょうか?

(続く)