シリーズ・「宗教」を読み解く 44
IAPDグローバル会議の開会

ナビゲーター:石丸 志信

 11年ぶりに、すっかり新しく整備されたグラウンド・ゼロのモニュメントで祈った後、夕方から国際会議が始まった。

 ちょうど一年前のこの日、韓国・ソウルで出帆したIAPD(平和と開発のための宗教者協議会)のグローバル会議。昨年と同じくUPF(天宙平和連合)とACLC(米国聖職者指導者会議)の共催で、世界28カ国から約300人の宗教指導者の他、各界の指導者が参加した。

 IAPDグローバル会議では、「分裂を克服する~信仰、政府、市民社会のリーダーの役割」を主題に、3日間にわたって、多くの発表と討論が繰り広げられた。

▲IAPDグローバル会議の開会晩餐会で祈りをささげる韓国仏教僧

 ACLCの共同議長であるマイケル・W・ジェンキンス博士が「ALCLの『聖職者』は、『全ての宗教の聖職者』を意味する」と言うとおり、カトリックの枢機卿、正教会の主教、ユダヤ教のラビ、イスラームのイマーム、ヨガの行者、数十の教派のプロテスタント牧師など、多様な宗教伝統に立つ「聖職者」たちが集っていた。

 開会晩餐(ばんさん)会は、プロテスタント牧師と韓国仏教僧の祈りで始まった。
 一年前は、参加者一同、緊張が高まる韓半島のただ中で神の下の南北平和統一を祈ったが、その後の半島情勢の変化を振り返り、改めて平和の実現のために祈りが重要であることを再確認しての開会となった。