2018.11.19 22:00
子育て道しるべ 3
幼児期
須永孝子
親の真似をする時期
子供は真っ白な真綿のような心で産まれて、お母さんや周りからの言葉がけに反応しながら学び吸収していきます。
2歳半頃の子供は今まで聞いて頭の中にある言葉を洪水のように話しだすので”言葉の洪水の時期”と言われます。これは言葉に限らず行動、動作にも言えます。
子供は親や周囲の人の動作をじっと見てから少しずつ関心を持って真似をしようとします。例えばボールを転がしたり投げたりすることも初めは面白がって見ていて、できることから少しずつやり、それを何度も繰り返しながらボールを遠くまで投げるようになります。絵も初めはクレヨンで紙になぐり書きをしながら、だんだん絵らしいものを描くようになります。砂遊びも親の作るのを見て、真似ながら色々な物を作ります。親から遊びを教わり、それがベースになって3歳頃からごっこ遊びやグループ遊びをするようになります。
反抗期に必要な「待つ心」
3歳頃になると反抗期が始まり、親の言うことを聞かなくなるので親たちは子育てに悩みます。
お母さんが言うことにいつも「やだ!」と言って反対のことをわざとやり、時にはいつまでもぐずってお母さんを困らせる。また弟や妹をいじめたり、赤ちゃんがえりをして甘えたりすると親はつい怒りたくなります。
ここでお母さんや周囲の人に必要なのが子供の気持ちを理解しようとする「待つ心」です。反抗期は自立のための第一歩です。我儘(わがまま)と思わないで決して手を出したり大声で怒鳴ったりしないで、子供の目線で話を聞いたり話してあげることが大切です。
例えば怒らないでその子の気持ちを聞いて、それを反復することで子供は親が自分を十分受け止めてくれたと安心して信頼関係ができます。それから責任を持たせてあげるとその子は頑張るようになります。親は子供の成長段階や問題行動を起こす子供の心理を勉強することが大切です。また夫婦で協力し合って親のストレスを解消していくことも大切ですね。
子供の可能性を広げる読み聞かせ
本の読み聞かせは親子がコミュニケーションをとる大切な時間であると共に、子供の脳が活性化して多くのことを吸収する脳細胞をつくります。
かつて地域のクリスマス会で、6歳の男子が堂々と多くの小学生や父母の前で紙芝居をすらすらと上手に読んだのにびっくりしたことがありました。その子の家庭は赤ちゃんの時から母親が毎日、聖書を寝物語で話して聞かせたりする教育の「ユダヤ式子育て」をしていて、多くの本を読み聞かせていたと後で知りました。その子はその後東大に現役入学しました。
幼児期に多くの本の読み聞かせをしたら、読書の好きな心豊かで多くの可能性を持つ子供に育っていくことでしょう。