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男女の違いと夫婦の関係 46

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「男女の違いと夫婦の関係」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 あなたは知っていますか? 男性と女性の違い。同シリーズでは、男女の考え方の根本的違いを知り、夫婦がお互いを理解しあって、本当の「幸せ」をつかむためのキーポイントをお伝えします!

松本 雄司・著

(光言社・刊『男女の違いと夫婦の関係-ほめられたい夫 愛されたい妻-』〈2019年3月30日第4版発行〉より)

第二章 男と女の違いと結婚生活

5 終わりに

2)まず誰よりも妻を愛そう

 最近は、子供と父親の関係が難しくなっています。
 2001年に発表された最高裁の家庭裁判所調査官研修所の調査報告書によると、殺人という凶悪犯罪に至った10名の少年たちについて徹底した追跡研究の結果、すべての少年たちに共通している点は、家庭で家族との情関係が複雑であること、特に、父親との関係がうまくいっていないという事実でした。
 その根本原因は夫婦が不仲であるということでした。彼らの父親は妻の態度にイライラしたり、カーッとするので、妻や子供に対して暴力を振るうか、あるいは子供にとってほとんど存在感のない状態か、のいずれかであったといいます。

 しっかりした家庭ができ、子供たちが立派に育っていけるかどうかを見る目安は、子供たちがお父さんを好きになっているかどうかです。息子や娘が父親が好きで尊敬していればまず大丈夫です。必ずそのお子さんたちは真っ直ぐに成長していくでしょう。

 なぜかというと、子供の父親に対する情は、実は小さい時に母親が父親に対してどう思っているかを反映して決まっていくのです。母親が夫を慕っており、尊敬していると、その言動と情的波動はそのまま子供たちに吸収されていきます。
 つまり、母親が夫と葛藤(かっとう)し、夫を嫌悪していた場合は、子供たちはいつしか父親のことを好きになれなくなっていきます。

 夫は、妻との関係が冷えたまま、どんなに子供をかわいがっても、本当の意味で子供の情が開かないのです。そこに母親の大きな影響力があります。
 特に乳幼児期は子供はほとんどの時間を母親と一緒に過ごすのですから、母親が父親のことを愛しているかどうかが大きく影響します。
 だからこそ、結局、父親は子供を愛する以上に、まず妻を愛してあげて、妻が夫を好きになるようにしてあげることが最も大切であるということになります。

 もちろん、妻のほうにも大きな責任があります。
 最近は、女性が強くなりすぎて、男と張り合い、優しさや謙虚さを失っています。そのため、男性にとっては非常に愛しにくい状態になっています。女性の傲慢な言動に接すると、男性は非常な嫌悪感を感じて愛情がたちまち冷めていくようになっているからです。
 ですから、男性から見て愛したくなるように、女性らしい優しさをいかに備えるかが妻にとっての最重要課題です。

 とはいえ本来的には、やはり夫が愛の出発点です。夫が妻を愛すると、豊かな情で妻が子供を愛せるようになり、そうすると子供たちが父母を慕い愛するようになり、また兄弟姉妹も愛するようになります。こうして愛の回転運動が始まります。

 結局、家庭という機関が夫婦の愛、親子の愛、兄弟姉妹の愛というすべての形でフル回転を始めるその最初の原動力としての愛は、一家の中心たる父親、夫から始まるのが一番理想的であることが分かります。

 「うーん、男はつらい!」

 でも、仕方がありません。奥さんから慕われるように、しっかり奥さんを愛する以外にありません。

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 次回は、「愛の手紙」をお届けします。

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