2024.08.26 17:00
スマホで立ち読み Vol.33
『夫婦愛を育む魔法の法則』1
橘 幸世・著
スマホで立ち読み第33弾、『夫婦愛を育む魔法の法則』を毎週金曜日(予定)にお届けします。
誰にでも、どんな夫婦にも当てはまる、幸せな夫婦になるための原則が詰まっています!
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はじめに
20代の独身時代、教会で既婚の婦人たちと関わる機会がありました。
み言(ことば)に出合ったのが先とはいえ、女子高・女子大を経てすぐに教会に来た私は、婦人たちの内外の事情に対して、今思えばあまりに無知でした。
ある時、一人の先輩が『トータル・ウーマン』(マラベル・モーガン著)という本を薦めてくださいました。
とても新鮮で、多くの知恵が与えられ、自身にとっても、婦人たちとの関わりにおいても、大変役立ったのを覚えています。
その後も、夫婦関係や親子関係などに関するいろいろな知恵に出合うたびに取り入れていきました。
やがて自身も結婚生活を始めてみると、かつて婦人たちの様々な事情を十分に理解してあげられなかったことに、申し訳ない思いが湧いてきました。
そのうち、なぜか教会の兄弟姉妹が夫婦関係について、私に相談してくるようになりました。
ヨーロッパにいた時には、夫婦で話し合いたいから間に入ってほしい、と呼ばれることが何度かありました。
夫婦どちらも信仰的で、より良い関係を築きたいと願っているのにうまくいかず、ストレスが溜(た)まる……、そんなカップルたちでした。
何とか力になりたいと思いながらも、自分とは事情が違うので、こうしたらいい、という具体的なアドバイスができず、もどかしい思いをしました。
そんな時、イギリスの姉妹が『新・良妻賢母のすすめ』(ヘレン・アンデリン著)という本に基づいた講座をして、とても良い結果が出ていることを聞きました。
早速その本を取り寄せてみると、原理原則に則(のっと)った、具体的アドバイスが書いてあり、夢中で読みました。
その本にある、幸福な夫婦関係を築くための愛の基本原則を箇条書きしたものを友人に送ると、彼女は「これが私のバイブルよ」と言って、ご主人との関係に役立てていました。
また、別の友人は、愚痴を聞いてあげた後に、本のさわりを話しただけで、「あ~、とっても楽になったわ~」という反応をしてきました。
自分で講座を始めてみると、その劇的結果に驚きの連続でした。
時には失敗しながらも、自らも原則を実践し、また多くの方に紹介する中で、学びと確信を深めていきました。
客観的に見れば、修復するのは到底無理だろう、と思えるような事情の中にあっても、「学んだ内容を実践してみる」、と当人が心を定めると、たくさんの奇跡が起きました。関係を修復するという次元を超えて、それまで味わったことのない愛と喜びの関係に至ったのです。
さらに、夫婦愛がよみがえると、やがて子供たちの心の傷が癒やされ、親子関係も回復しました。
様々な事情の方が学びに来られるので、参加者たちの質問に対応できるよう、専門的な内容も含めて、心理学や夫婦問題関連の学びを重ねていきました。
そんな中、分かったことは、良書と言われている本はどれも、切り口こそ違え、同じことを言っている、ということでした。原則は一緒だということです。
アメリカのある研究者は、あまたある夫婦関係本の原点は『新・良妻賢母のすすめ』だと、論文で書いています。
また、大知(おおとも)勇治先生の『氏族伝道の心理学』(光言社)を読んで、「創造本性の授受作用」という言葉にスパークしました。
その視点で原則を見てみると、それらは全て男女の違いを踏まえた上での、互いの創造本性を啓発するものでした。
講座で、その点を明確にしてお話しすると、単なるハウツーものではなく、生き方にまで通じるものに発展していき、学んだ方々もより希望を持って実践に臨めるようになりました。
神様の創造理想を家庭に実現する上で、男性と女性の本性的違いを正しく知って、相対間で適切な働きかけをしていくことがとても大切です。
本書は、2012年から翌年にかけて季刊誌『祝福家庭』に連載された内容に加筆、修正したものです。夫婦が愛と美を交わしつつ、喜びの中で共に成長する、そんな家庭を築いていかれる一助となれば幸いです。
2017年2月
橘 幸世
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次回は、「男は与えたい、女は受けたい」をお届けします。