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統一原理Q&A 20

 「統一原理Q&A」を毎週金曜日配信(予定)でお届けしています。
 統一原理に関する解説が分かりやすくコンパクトにまとめられています。統一原理への理解を深めるために、ぜひ読んでいただきたいシリーズです。

白井康友・著

(光言社・刊『統一原理Q&A み言による神の心情の再発見』より)

Q:洗礼ヨハネの不信仰は、イエスを十字架に追いやる大きな要因となりましたが、洗礼ヨハネの不信以前に、イエス家庭の摂理の失敗のほうが重要な問題であったと聞きました。いったい、イエス家庭において果たすべき使命とは何であったのでしょうか、詳しく説明してください。


A:神は、イエス家庭の摂理として、どのように準備されておられたのかを見てみましょう。まず母マリヤの使命から考えてみると、アダム家庭で失敗したエバの立場を蕩減復帰すべき、復帰されたエバの立場に立っていたのです。エバは神のみ言(戒め)を不信仰した結果堕落してしまい、永遠の生命を失ってしまったので、マリヤは自分の体面とか威信とか社会的な評価とか、すべてを忘れてでも、神のみ言を命懸けで守り抜いてゆく心情基準が必要でした。

 実際ヨセフと婚約している段階で、一緒に生活する前に身重の体になりながらも、夫をだまし、育ててくれた人をだまし、周囲のすべてを裏切るような立場の中でみ子を誕生させていかねばならなかったマリヤの立場であり、神に対する絶対的信仰と忠誠がなければ乗り越えていくことができませんでした。さらにその上で、彼女はヨセフと共にみ子イエスを守り育てて、将来イエスに相対者を迎えさせて祝福を受けさせ、イエスがメシヤとして来られた使命と目的を完成させなければならない立場でした。

 一方ヨセフの使命はどうかと言うと、アダム家庭において、エバを誘惑し堕落させた天使長の立場を蕩減復帰すべき、善の天使長の立場に立っていたので、彼はマリヤとイエスを助けつつ、イエスの相対者になる方を育てて、祝福にまで至らしめることが最大の使命でした。

 では、実際にはどうであったのか、文先生のみ言を参考にしながら見ていきたいと思います。まずヨセフですが、「ヨセフには『マリヤを迎えることをためらうな』と天使が夢の中で教えてやったよ。夢の中でこっそり教わって、それが何だか分からなかったけれど『まあまあ』と言ってマリヤを迎えた。しかしマリヤが来てからちょっと考えてみると『どうしたんだろう。いったいだれの子供だろう』と考えざるを得ない。一時は迎えたが、考えれば考えるほど気にさわる。だからヨセフはマリヤを連れてきてから何カ月もたたない間に暗くなってしまった。……ヨセフは次第に疑い始めて、マリヤとの間には打ち消すことのできない疑いの山がだんだん大きくなる」(「二次修練におけるお話」1967.7.6)と語られているように、ヨセフがマリヤに対して疑惑の思いを抱いているため、マリヤとしてはヨセフに気兼ねして、いつ生まれてくるか分からないイエスに対して、何のお産の準備もすることができなかったのです。「やむを得ずして馬小屋の飼葉桶の中に万民の救い主、万民が願い奉ってきた救い主は寝かされた。これは天のお父様も夢にも思わなかった」(前掲の御言)。

 さてその結果、ヨハネによる福音書二章四節を見てみると、カナの婚礼にてイエスは母マリヤに対して「婦人よ、あなたと私と何の係わりがありますか。私の時はまだ来ていません」と厳しい口調で訴えている場面があります。私の時とは、イエスの婚宴を指しており、すなわち婚宴の準備をすべきマリヤが、その使命を果たしていないことを明確に物語っています。


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 さらには復帰されたエバとして、本来は、ヨセフと婚約していても結婚生活をしてはならない立場であるにもかかわらず、マタイによる福音書一三章五五節に見ると、四人の子供を生んでしまっており、イエスを支えて仕えてゆくべき本来の使命から離れてしまったことが分かります。

 さらにヨセフも善の天使長の立場ゆえに、男として最も惨めなつらい立場を通過しつつ、迫りくる愛の減少感の峠を乗り越え愛の勝利者となるべきでしたが、結果的にはマリヤと結婚して子供まで生んでしまい、その使命を果たせずに愛の敗北者となってしまったのです。

 もし、マリヤとヨセフが使命を果たしていたならば、ヨセフ家庭とザカリヤ家庭が一つとなり、両家庭を中心としたイエスの親族が十二弟子となるはずでした。その中でも洗礼ヨハネは、ペテロの代わりに第一弟子となってイエスに仕えていくべき立場でありました。

 このようにして親族を中心とした十二弟子がイエスと完全に心情一体化したならば、洗礼ヨハネを尊敬していたユダヤ教が巻き込まれ、イスラエル国家が一つとなり、その基盤の上でアラブ圏、インド、中国等を結束せしめて反ローマ大連合国家を築き上げ、最終的にローマ帝国まで屈伏させて世界統一を実現していったのです。

 しかし、イエス家庭の摂理が失敗してしまったために、家庭から追われ、十二弟子から捨てられ、ユダヤ教から追われ、国家から迫害されて、ついにはただ一人十字架の道を行かざるを得なくなってしまったのです。

▲イエスの十字架と母マリヤ(カール・ブロック)

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 次回は、「洗礼ヨハネの不信の理由」をお届けします。