青少年事情と教育を考える 31
10月5日は「教師の日」

ナビゲーター:中田 孝誠

 早いもので、間もなく10月です。

 さて、10月5日は何の日かご存じでしょうか。
 国連のユネスコが制定した「世界教師の日」です。1994年に定められました。

 「教師の日」は、先生への感謝を示す日、そして教師という仕事がどのようなものかを理解する日だと言っていいでしょう。

 実は「教師の日」は世界各国で制定されていて、ウィキペディアに紹介されているだけでも60カ国以上が独自に定めています。中には祝日にしている国もあります。

 例えば、韓国は5月15日を「教師の日」としていて、1964年から始まっています(制定された1964年は5月26日でしたが、翌65年に5月15日になったということです)。2002年のサッカーW杯で韓国をベスト4に導いたヒディング監督もこのような日があることに感動したという話も聞いたことがあります。

 日本では今のところ定められていませんが、政府の教育再生実行会議が昨年5月に出した提言では、「教師の日」を創設して教師の仕事に理解を深めるきっかけとなるよう提案しています。また、「学校応援週間」を設けて保護者や地域の住民が教師と協力する雰囲気をつくることも提案しています。

 日本の子供たちが先進国の中で比較的高い成績を維持しているのは、教師の多くが「子供を第一に考える」価値観を共有しているからだ、と指摘する意見もあります。

 もちろん組合活動などの弊害は正していかなければならないと思います。それも含めて、教師の働き方改革が叫ばれる今こそ、教師の価値を、当の教師、保護者、そして社会全体で改めて考えるべきではないでしょうか。