脱会説得の宗教的背景 31
“唯物論”と“唯心論”の論争に終止符を打つ統一原理

教理研究院院長
太田 朝久

 YouTubeチャンネル「我々の視点」で公開中のシリーズ、「脱会説得の宗教的背景/世界平和を構築する『統一原理』~比較宗教の観点から~」のテキスト版を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 講師は、世界平和統一家庭連合教理研究院院長の太田朝久(ともひさ)氏です。動画版も併せてご活用ください。

「本形状」による“物質の粒子化”とは何か?
 神の「本形状」(前エネルギー)とは、時空を超越し、入力を必要としない“充満し切った状態”の連続したエネルギーです。かつ全ての様態を持つ「無限定」なものであるため、そのままの状態では何も造れないということを意味します。

 全てが充満し連続していては、個別化(=個性の出現)はできません。そこで最小の“粒子化”が必要となってきます。
 実際、粒子化(量子)を調べると、「プランク定数」の整数倍になっています。プランク定数の1.5倍、2.5倍という中途半端なものは、存在しないことが分かっています。

 つまり宇宙は、プランク定数の整数倍の倍率によって形づくられているため、粒子と粒子との間は、“連続していない”ように見えるのです。ところがその粒子と粒子の間にも波動性があるため、連続している部分もあるのです。

 すなわち、この“連続性”と“非連続性”(アナログとデジタル)の組み合わせにより、粒子化(個別化)という現象が起こり、神の創造がなされていったことが推察されます。

 以上、述べてきたように、連続した状態の本形状(充満し切った前エネルギー状態)では、個別化が起こらないため、個性を持つ万物を創造(出現)することはできません。

 故に神は、ご自身の「無限応形性」である本形状に、限定作用を加えることで、本形状(前エネルギー)を細分化して粒子化し、そこに連続性と非連続性の部分をつくり、それを量的に、あるいは構造的に組み合わせることで、さまざまな種類の個性を持つ物質を造るようにされたということです。

 なぜなら、もともと神の本形状には連続・非連続はなく、全部がつながった無限定なものであり、いわば充満し切ったエネルギーのようなものであったためです。

 しかしそれでは個別化して物質は造れないため、最初に、一番小さな“粒子化”を起こされたと考えられます。
 それが、いわゆるプランク定数に相当する量子のようなものであったと考えられます。

神の“無限応形性”を用いた天地創造
 以上が、「限定作用による創造」に対する統一原理的な説明であり、統一思想で述べるところの「無限応形性」という概念の説明です。

 『原理講論』に「神は本性相と本形状の二性性相の中和的主体である」(47ページ)とあるように、これは、神が本性相という“精神の原因”と、本形状という“物質の原因”を共に持っていたという意味であり、神はご自身の本形状(=前エネルギー)を用いて、天地創造をしていかれたということです。

 この統一原理の「唯一論」という考え方によって“唯物論”と“唯心論”の論争に終止符が打たれ、世界平和が構築されていくでしょう。
 統一原理を自由圏が受け入れ、唯物論を克服して、世界平和を実現しなければなりません。

※動画版「脱会説得の宗教的背景 第7回『唯物論』と『唯心論』の和合統一〈その2〉」はこちらから