2024.02.22 22:00
男女の違いと夫婦の関係 16
アプリで読む光言社書籍シリーズとして「男女の違いと夫婦の関係」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
あなたは知っていますか? 男性と女性の違い。同シリーズでは、男女の考え方の根本的違いを知り、夫婦がお互いを理解しあって、本当の「幸せ」をつかむためのキーポイントをお伝えします!
松本 雄司・著
第一章 変わり行く日本人の家庭像
(2)別れる理由
日本人の離婚の動機(申し立て理由)……(厚生労働省「離婚に関する統計」)
日本人の離婚の動機はどうかということで、私もあらためて厚生労働省の資料を調べてみました。申し立て理由から離婚の原因を推察できます。
家裁調停における申し立て理由を挙げてみましょう。
【夫側の申し立ての理由】
1. 「性格の不一致」。これは日本では一番多い。特定の理由はないが、要するにうまくいかなかった場合は、こういう理由になります。
2. 「異性関係」。最近は夫との関係が冷えて起こる妻の「婚外恋愛」や「プチ不倫」が思わぬ結果へとつながるケースが増えています。
3. 「家族、親戚との折り合い」。妻がどうしても夫の両親とうまくやっていけない場合、「あなたは私と親とどっちを取るの?」と迫られて、夫は親を取るか妻を取るかという難しい状況に追い込まれ、「親を捨てるわけにはいかない」と、やむなく離婚に至るというケースも多い。
4. 「妻の浪費」。本来生活の便宜を図るためのカード決済や簡単に借りられる消費者金融のシステムも、一歩誤れば借金地獄を生み、それが家庭破綻という大きな悲劇を招いています。
5. 「異常性格」。「ひどい形相(ぎょうそう)で夫を罵倒(ばとう)するような女性とは到底一緒にやっていけない。彼女は異常性格です」という夫の嘆きを聞くことが多くなりました。
ただ、この点については私は女性を弁護しておきたい。なぜかというと、奥さんが本当の異常性格だというのではなく、要するにヒステリー現象の場合が多いと思うからです。
一般的に女性は情的ですから、夫婦関係がうまくいかず険悪になれば感情的になるし、ヒステリーになります。その時の言動を男性から見て、「異常性格だ。こんな女性とはやっていけない」と思うのも無理はありませんが、もともと異常性格者がそんなに多いわけがありません。
6. 「精神的に虐待する」。これは意外に思われるかもしれませんが、女性のヒステリックな言葉の攻撃に男性は耐えられないことがあります。
女性は不満があると、際限なく愚痴と皮肉と罵(ののし)りを繰り返すことがあり、外での仕事のストレスを癒すために帰る家庭がそうなれば、夫にはもはや安らぎの場が無くなります。
7. 「性的不満」。妻が性生活に応じない場合、男性にとっては結婚生活を継続することが難しくなります。
【妻側の申し立ての理由】
1. 「性格の不一致」で、夫と同じです。厳密に言えば「性格の違い」が夫婦の一体化を阻害するのではなく、「価値観の相違」です。夫婦がお互いに理解と協力の関係を築くのに失敗したということになります。
2. 「夫の暴力」。欧米に次いで日本でも生命に関わる事件が増加中であり、ドメスティック・バイオレンス問題として、公的機関の対応も必要になっています。
3. 「異性関係」。言うまでもなく夫の浮気、愛人関係による夫婦関係の破綻。
「そもそも男っていうのは浮気者なんだ……」と言う人もいますが、実際のケースを見ると、妻には何の不足もなく夫だけが問題というケースは少なく、夫婦関係が冷えて、夫が妻から得られなくなった安らぎを他の女性に求めるといった場合が多いようです。
これは逆の場合、即ち「妻の不倫」も同じであり、対策は夫婦仲を良くするということに尽きます。
4. 「生活費を渡してくれない」。夫が働かず収入がないというケースだけではなく、不仲になり反発からあえて妻に渡さないという事例も多い。
5. 「精神的に虐待する」。夫婦が険悪な関係に入ると、互いに傷つけ傷つけられる関係になりますが、妻から見れば「精神的虐待を受けた」ということになります。
6. 「夫の浪費」。競輪・競馬・競艇からパチンコ依存症、マニアックな趣味などが遊びの域を超え、借金しながらも続けるようになると「ビョーキ」の域に入ってしまいます。
しかし、その根底には、結局夫婦仲がうまくいっていないことからくるストレスがある場合が多いのです。
7. 「家庭を捨てて顧みない」。夫婦の感情的対立が続くと、夫が家庭内の用事や家事・育児に一切協力しないようになり、ほとんど家に居ないようになってしまう。妻としては我慢できない状態になります。
以上、離婚の動機理由について見てきましたが、結局、夫婦の間で仲の良い関係を作り出すことができていれば、解決できたであろうと思われることがほとんどです。
従って、夫婦はなぜうまくいかなくなるのか、どうすればお互いに相手を尊敬し、感謝でき、愛し合える関係を築けるのか、そこが一番大事であるということになります。
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次回は、「男女の心のすれ違い」をお届けします。