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青少年事情と教育を考える 255
小中学生の7割超「学校は楽しい」

ナビゲーター:中田 孝誠

 今の小中学生は、学校が楽しいと思っているのか。また学校の勉強をどのくらい理解しているのか―。不登校が増加している中、気になるところです。

 文部科学省が公立小中学校の児童生徒と教師を対象に行った「義務教育に関する意識に係る調査」の集計結果を昨年末に公表しました。
 義務教育や学校の役割、授業、学校生活などを調査したもので、学校生活や授業に対する思いの一端が垣間見えます(対象は小4〜中3が約3万3000人。教師約3000人)。

 例えば、8割以上(83%)の児童生徒が「休み時間や放課後に行う活動は楽しい」と感じ、7割が「学校での人間関係に満足している」(74%)、「学校に通うことは楽しい」(73%)と答えています。

 学習面では、8割の子が「授業は、友達と一緒に学ぶことができて楽しいと思う」(84%)、「授業で学ぶことが、将来役に立つと思う」(74%)と答えています。「授業で学ぶ内容は面白いと思う」も67%でした。ただ、「役に立つ」と思っている子は、学年が上がるほど減少していきます。

 「学校で勉強することは楽しい」という子も54%と半数でした。学年が上がると共に減少しています。「授業の内容が難しすぎると思う」という子も30%います。学校の勉強が「得意ではない」「あまり得意ではない」という回答も、小学生は2割ですが、中学生では4割でした。それもあってか、自分のペースで学びたいという子も増えます。

 また、半数以上の児童生徒が学校生活を通じて「失敗を恐れず挑戦する力」「相手に伝わるように自分の考えを表現する力」を身に付けたいと考えていますが、実際に身に付いていると感じている子は3割未満でした。

 一方、教師への調査を見ると、公立学校の役割として9割以上の教師が「基礎的・基本的な知識・技能をきちんと定着させる」ことや、「子供たちが社会の規範を知り、身に付けることができるようにする」「子供たちが安心して過ごせる居場所」を挙げています。学習面はもちろんですが、子供の安全を守ること、規範や社会性を身に付けさせることに学校の役割が大きいことを教師たちが意識していることがうかがえます。