2023.12.13 12:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる介護・福祉Q&A
介護・福祉について分かりやすく解説する「ほぼ5分でわかる介護・福祉Q&A」のテキスト版をお届けします。
ナビゲーターは、家庭連合本部の宮本知洋福祉部長が務めます。動画版も公開中ですので、併せてご視聴ください。
第1回 介護・福祉Q&Aシリーズ開始に当たって
ナビゲーター:宮本 知洋(家庭連合福祉部長)
今回から始まりました、同シリーズのナビゲーターを務める宮本知洋(世界平和統一家庭家庭連合 福祉部長)と申します。よろしくお願いいたします。
さて、日本で少子高齢化が急速に進んでいることは、今や周知の事実となりました。
年々出生数は減少し、高齢化率が高まる中、2053年には総人口が1億人を割り込み、65歳以上の人口割合は38%になると推計されています。
高齢者が増加するにつれ、福祉の重要性がこれまで以上に強調されるようになってきました。
では、「福祉」とは何でしょうか。
「福」という字も「祉」という字も、どちらも幸せという意味なので、福祉とは幸せを意味する言葉だということが分かります。
同じ幸せを表す言葉には「幸福」もありますが、一般的に幸福は私的レベルの幸せを意味するのに対し、福祉は社会的レベルの幸せを意味すると考えられています。
特に「社会福祉」と言う場合は、「生活困窮者、身寄りのない老人・児童、身体障害者など、社会的弱者に対する公私の保護および援助」(デジタル大辞泉)のことを指します。
日本国憲法の第25条によれば、国は国民が健康で文化的な最低限度の生活を送れるよう、制度を整え、支援をしなければならない、とされています。
この考え方に基づいて、生活困窮者、障がい者、高齢者、児童などに実施している社会的施策とそのための支援活動の総体を社会福祉と呼んでいるのです。
福祉を対象別に分類しますと、一般的には高齢者福祉、障がい者(児)福祉、児童福祉、生活困窮者に対する福祉の四つに分けられます。
どの分野においても人権の尊重が根底にあるのは当然のことですが、最近ではただ身体的に健康で最低限度の生活を送るための一方的な支援ではなく、尊厳ある生活や能力に応じた自立、利用者本位の福祉など、人間としての本来的生活を送れるようにするためのより充実した福祉施策が求められています。
この四つの分類を一体として捉える方法として家族を想定する「家族福祉」と理解することもできると思います。
福祉について考える時、四つの「助」という概念が重要です。
四つの助とは「自助」「互助」「共助」「公助」のことです。
「自助」は自身で努力して課題を克服することで、四つの助の基礎となります。
それをサポートするものとして、個人的な関係性を持つ者同士が互いに自発的に支え合う「互助」があります。
それでも克服するのが難しい課題は相互扶助の制度で補うことになりますが、それを「共助」と呼んでいます。
そして、それでも難しい場合、最終手段として生活保護などの「公助」を受けるということになります。
天一国は、天の父母様と真の父母様を中心として全人類が一家族となった世界です。
もし家族の中に何らかのサポートを必要とする人がいたならば、支援するのは当然のことです。
天一国のひな形をまず家庭連合のコミュニティーにつくっていこうとすれば、食口(シック/家庭連合の教会員)同士が家族として互いに助け合う文化を築いていくことが必要です。
先ほど、四つの助というお話をしましたが、その中の「互助」に当たる部分がまさにそれだと言えるでしょう。
私たち家庭連合においても、高齢のかたや障がいを抱えたかたなど、福祉的サポートを必要とするかたが多くなっています。
また、ご家族にそのようなかたがいらっしゃり、どのように対していけばよいか悩んでいらっしゃるかたも少なくありません。
今や家庭連合においても、介護や福祉という分野に対してさらに関心を持つべき時期に来ているのではないかと思います。
私たちは家族として助け合う文化を築いていきながら、具体的には国や行政の制度を適切に活用し、医療福祉関係に従事するかたがたのサポートを受けて介護や福祉の内容に取り組むことになります。
同シリーズでは、その具体的な内容についてQ&A形式で学んでいきます。
今、実際に介護に取り組まれておられるかたも、将来に備えて学ぼうとされているかたも、ぜひご覧いただければと思います。