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新米ママのありのまま 5
春間近の弥生に思い返す、壮絶な出産体験。過ぎてみれば感謝だった

(APTF『真の家庭』245号[2019年3月]より)

 APTFの機関誌『真の家庭』で好評連載中の「新米ママのありのまま」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。

フリーライター みはる

 冷たい北風に吹かれ、地域によっては大変な大雪に見舞われた冬に終わりが告げられようとしています。3月の和風月名は弥生。弥生の月名の由来は、草木がいよいよ生い茂る月「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となったと言われています。和風月名は旧暦に合わせているので、弥生は4月に当たります。春が訪れ新しい生命が芽吹く時季を表しているのです。

 私にとって3月は特別な月、まさしく新しい命が誕生した月です。ちょうど2年前、初めての出産を経験しました。里帰り出産をしに臨月より少し早めに実家に帰省したのですが、早産の恐れがあると言われ、約40日間、絶対安静の入院生活を送ることに。何もできない期間を耐え忍んだ結果、早産の心配はなくなり無事に退院できました。

 予定日より早く生まれるかもしれないと思っていたのですが、1週間過ぎても生まれず。10日程主人に実家に来てもらったのですが、生まれる兆候がなかったので仕方なく帰ってもらいました。ところがその2日後の朝におしるしが来てすぐ病院に行くと、今日中に生まれると言われて入院することに。陣痛はきていたのですがあまり進まず、陣痛促進剤を投与され、午後3時以降から徐々に痛みが強くなっていきました。出産の痛みは想像を遥かに超えるもので、ピーク時には腰をハンマーで思いっきり殴られているかのような強烈な痛みに襲われ、ラマーズ法も上手くできずにいました。痛みは強くなるものの破水できず、助産師さんにやってもらい、破水したらもうすぐだからと午後9時頃に分娩室に向かいました。あと一歩で生まれてくると期待していたのですが、そこからが更に大変でした。

 全く頭を出してくる気配がなく、逆子を心配されましたが特に異変もなし。あまりの痛みに呼吸が荒れて酸素マスクを取り付けられたりしている内に、助産師さんの顔つきがだんだん強張っていきました。それから何故か看護師さんが増えていき、しまいには先生もやってきて、吸引機で取り出すことを説明されました。何度もいきむのですが上手くいかず、後二回やって駄目だったら帝王切開にすると言われ、必死にいきんだのですが生まれず。そこから更に看護師さんが増えていき、「早くして!」という先生の怒号が飛んで慌ただしくなっていきました。手術の同意書にサインしてくれと言われて痛みで震える手でサインしたらあまりにもミミズだったもので、看護師さんに驚かれたりしながらあれよあれよという間に、手術室に移動させられて麻酔を打たれてようやく痛みがひいていきました。看護師さんにあとは先生に任せていればいいからと言われたものの、お腹を切られていることを想像すると血の気が引いていきそうで、子供が無事に生まれることだけを考えていました。そして1121分、3488グラムで娘が生まれました。一目見ただけで安心してその後は全身麻酔を打たれたので顔はよく見えず。対面できたのはその2日後でした。自分が生んだことが信じられませんでしたが、真っ黒なふさふさの髪をした丸い顔、小さな手に触れ、この子が十月十日お腹にいた自分の子供なんだと実感しました。壮絶な出産でしたが、無事に生まれてくれたことに本当に感謝です。

 そんな娘ももう2歳。言葉もしゃべるようになり、家族みんなから愛されていつも笑顔で楽しそうに過ごしています。生まれてきてよかったと娘が心から思えるような母を目指して、反省と改善を繰り返す日々。母としてもまだ2歳で未熟な点も多くありますが、娘と共に成長していけたらと思っています。

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 次回は、「小さな怪獣に翻弄されながら、親としての愛の成長を促される今日この頃」をお届けします。

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