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新米ママのありのまま 3
子どもは家庭の宝! 純粋な心に感銘を受けたひととき

(APTF『真の家庭』241号[2018年11月]より)

 APTFの機関誌『真の家庭』で好評連載中の「新米ママのありのまま」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。

フリーライター みはる

 親や祖父母に効果てき面な我が子の武器は、丸くて黒い純粋な光できらめく「おめめ」。じーっとこちらを見ながら構って欲しそうに腕を伸ばして、「こっこ(抱っこ)」と言われたら誰も勝てません。何か作業をしていても中断して抱っこしてしまいます。子どもの純粋さには癒されますが、時には感銘を受けることも。

 娘が1歳になる少し前、キッズコーナーのあるホームセンターへ行った時のことです。ブロッククッションで囲われた遊び場の中に、プラスチック製の滑り台が置いてあるだけなのですが、数名の子どもたちが思い思いに遊んでいました。

 まだやっと立てるようになったばかりの娘と一緒に中に入って遊ばせていると、1歳半と8歳の姉妹と仲良くなり、4人で遊ぶことに。娘は、自力で滑り台までの階段を上がれるものの、滑ることは難しく、台の上で座るだけ。大人が滑り台の上に乗ると邪魔になると思い、外側から見ていました。しかし、ちょっと目を離した隙に、聞きなれたよく通る泣き声が響き渡り、階段の下の段に娘があおむけに倒れていました。すぐ抱きかかえてなだめていると、あの姉妹のお姉ちゃんが「男の子に押されて頭打っちゃった」と教えてくれました。

 それから泣き止んだものの、怖いのかマットに置くだけで再び泣き出す始末。困っていたら、妹の方が手を差し出してきて娘の手にビーズで作ったイルカのおもちゃを渡してくれました。お姉ちゃんが「これあげる」と言ってくれ、思わず「え、いいの?」と聞き返すと、妹が娘の頭をよしよしと撫でてくれたのです。慰めてくれていることに気づき、はっとさせられました。この年齢でもこういうことができるのかと驚きの中に感動が芽生え、涙腺が緩みそうになりました。子どもだからできる純粋さが胸に刺さりました。妹の方が私の鞄についていたファミレスのおまけで遊びたがっていたのでそれをあげることに。

 何の利害もない授け受けをしたのはいつ振りだろうと忘れ去られていた純粋さに、大人になってからの年月をひしひしと感じさせられました。こんなにも簡単に友達になれて、一緒に遊べて、自分のおもちゃをあげるほど心配してくれる。忘れていた「きれいな心」を思い出させてもらった素敵なひと時でした。

 子どもから教わることは本当に多くあり、そのたびに気付かされ、反省させられます。子どもは素晴らしい宝物だと実感させられる日々です。

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 次回は、「スキンシップと猫の癒しパワーで、余裕のある育児を」をお届けします。

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