2023.11.16 17:00
幸福への「処方箋」1
「幸福への『処方箋』」を毎週火曜日配信(予定)でお届けいたします。
野村 健二(統一思想研究院元院長)・著
はしがき
日本統一教会創立8周年記念日の1967年10月2日に、人間を中心とする全宇宙の創造(創造原理)、破壊(堕落論)、修復(復帰原理)について、整然と説かれた『原理講論』が発刊されてから40年。さらに、2008年7月15日には、日本宣教50周年を迎えました。
こうした機会に、人間の幸福ということについて――単に個々の人間の幸福というばかりでなく、神のもとにある世界一家族としての人間の幸福についてをテーマとして、文鮮明(ムン・ソンミョン)先生が説かれた「統一原理」を、韓国の初代教会長、劉孝元(ユ・ヒョウォン)先生が詳しくまとめられた基礎資料『原理講論』、韓国統一思想研究院初代院長の李相軒(イ・サンホン)先生がまとめられた哲学体系『統一思想要綱』、さらに、歴史的に大きな役割を果たした『聖書』の要点を、簡潔に論理的、体系的に分かりやすくまとめたのが本書です。
文鮮明先生は、統一原理を薬になぞらえてお話しされたことがありますが、あたかも医師が薬の処方を指示する処方箋のように、本書を活用して真実に幸福になる生き方を見いだしてもらえるようにと考え筆を執りました。
アダム以来、二人目の罪なき真の子女――メシヤとして生を享(う)けられたイエス様が、イエスを奉ずるために歴史的に育てられてきた当時のユダヤ民族の無理解によって十字架にかけられ、40日の霊的復活によって再臨の道を開かれました。それから2000年後の今日、再臨主として来られた文鮮明先生が、神への切実な問いかけと血の代価によって解明された内容――「神とはいかなるお方か」、「人間創造の目的と本質は何か」、「なぜ人間は不幸なままなのか」、「不幸な状態から本来の幸福な状態に立ち戻るためにはどうしたらいいか」などが、『原理講論』に数学的な厳密さで解き明かされています。
文鮮明先生による神からの啓示は、『原理講論』にばかりでなく、最近の『平和訓経』に至るまで、40年以上にわたって明らかにされていますが、その一番の骨組みである「授受作用」「格位」「心情と目的」「四位基台」「三大祝福」「間接主管圏と直接主管圏」「成長の三段階」などの概念は、それらのみ言(ことば)を理解するために必須です。
劉孝元先生は『原理講論』において厳密さを期するために、それらの基本的概念をあまりにも詳しく説明しておられ、そのために理解が難しく、途中で投げ出した方も少なくないのではないかと思います。そのために、その大筋をつかみ出す作業も必要ではないかと思い、そのことにも極力努めてみたつもりです。
これら、統一原理、統一思想の基本的骨組みをしっかりと把握した上で、芸術的、心情的にみ言と相対すれば、知と情の両面から味得されるのではないかと思います。文鮮明先生の再臨主としての役割は、いまだ世界全体に理解されているとは言えません。
文鮮明先生の神観、人間観、宇宙観を簡略に伝えられるものがあれば、その普及の役に立つと思い、本書がその役割の一部を果たすことができれば、喜びに堪えません。
第一部は、『原理講論』、『統一思想要綱』、『聖書』の勘所をとらえた構成なので比較的無難に書かれていますが、第二部はかなり自由に書いた部分もあり、至らない部分があればすべて筆者の責任によるものです。
読者の皆様のご参考になればこれにまさる喜びはありません。
2008年8月1日
著者
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次回は、「幸福とは何か」をお届けします。