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コラム・週刊Blessed Life 287
超偉大な人々の秘密~大谷翔平と藤井聡太

新海 一朗

 現在、日本でチョー偉大な人々と言えば、「大谷翔平」と「藤井聡太」が真っ先に挙げられます。

 これはもう間違いのないことです。
 その能力という点から見れば、チョー偉大としか言いようがありません。人間離れしていると言ったらよいでしょうか。

 桁外れの能力を発揮している何らかの理由、原因があるのでしょうか。
 二人には驚くべき共通点があります。それは読書家であるということです。

 大谷翔平の本棚には『富の福音』(アンドリュー・カーネギー)、『成功への情熱』(稲盛和夫)、『運命を拓く』(中村天風)、『論語と算盤』(渋沢栄一)、『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン)、『イーロン・マスクの野望』(竹内一正)などの本が並んでおり、一人のスポーツ選手が読む本にしては一流のビジネス書が目立つという意外な特徴があります。

 思想家・中村天風の『運命を拓く』、京セラ創業者・稲盛和夫の『成功への情熱』、米国の実業家で慈善活動家としても知られるアンドリュー・カーネギーの『富の福音』など、びっくりするような本を彼は好んで読んでいるのです。

 大谷は全身全霊を込めて野球に取り組んでいますが、彼が高いモチベーションを維持できる秘訣(ひけつ)は「読書」にあると言います。
 野球の練習ばかりが日々の生活日課と思ったら、実は相当の読書家なのです。インドア派の一面を持っており、ゆっくりと読書に時間を費やすことが多いと言います。

 大谷が高校生の時に作成した「目標達成シート」には、将来の成功の要素の一つとして、《本を読む》と記されていました。
 野球以外のことから、幅広く知見を取り入れることの重要性は、栗山英樹監督からも教えられたということです。

 将棋棋士の藤井聡太は、『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)、『遠い太鼓』(村上春樹)は、小学生の時にすでに読んだといい、『深夜特急』(沢木耕太郎)、『博士の愛した数式』(小川洋子)、『劔岳〈点の記〉』(新田次郎)、『功名が辻』(司馬遼太郎)なども楽しく読んだという小中学校の幼少時からの読書習慣は驚くばかりです。

 藤井聡太の場合、文学書が目立ちますが、いろいろな本を読むことによって、普段見えない世界が見えてくると言います。
 毎日新聞を読み、特に国際情勢のページにはよく目を通すそうです。

 最近の子供はあまり本を読まない、活字離れになっている、漫画ばかり読んでいる、などといわれるご時世の中、一流にのし上がった大谷翔平、藤井聡太のご両人を見ると、読書をよくしていたということが分かります。本を読むことの効果は絶大なものがあると認識せざるを得ません。

 読書は思考力と想像力を高め、人生のさまざまな場面での生き方を教えられ、知性を高め、教養を深める効用性を持っています。

 大谷翔平のポジティブ思考は、中村天風の『運命を拓く』から学んだことは明らかです。トレーニングで「体」と「技」を磨き、読書で「心」を鍛えるというのが、大谷流の生き方です。

 読書によって見えない世界が見えてくるとは藤井聡太の言葉ですが、何手も先の先を読まなければならない無限の想像力を養う必要がある将棋の世界において、まさに読書の効用が生かされているのかもしれません。
 テレビはあまり見ない、本と新聞はよく読むというのが藤井流の生き方です。

 偉大になりたければ、本を読むべし! 大谷と藤井から見えてくるのは、何と「読書」でした!