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43とも倶楽部誕生物語 44
「私はやっぱり玉の輿」

櫻井 晴信

 今話題のユニークな読書会、「43とも倶楽部」。本シリーズでは、「43とも倶楽部」がどのようにしてつくられてきたのか、その誕生の物語をお届けします。

 今回は、43ともの体験談を紹介します。
 東京都練馬区の60代の女性のかたです。

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 毎週、夫婦や他の人たちと、43ともを欠かさずさせていただいています。
 ある程度、お世話役を長くしてきた立場でもありますので、「それなりにまとめたい」という思いも実はありましたが、何度も43ともを繰り返しているうちに、「選んだ理由を述べる」という気楽さもあって、ありのままに発表できるようになってきました。

 「今日の感想はしょぼかったなあ」と思っても、発表すると皆さんがとにかく賛美してくれて、私の発表が価値あるもののように持ち上げられるのです。
 そのようにしているうちに私の心は軽くなり、あるがままに発表できるようになりました。

 夫婦間でも本質的なことを話してくれない夫に、寂しく感じることもかつてはありましたが、43ともで主人の心の内を聞くことができ、本当に思慮深い人で、それ故に言葉に発してこなかった人なんだと、よくよく理解できました。
 思慮深く、自己弁解しない夫の姿を理解するのに、あまりにも時間がかかってしまったことに申し訳なく思うこの頃です。

 夫は本当に立派な人です。「私は、やっぱり玉の輿(こし)」。その夫に似た長男だと気付かされた時に、これまた希望を感じました。43ともに心から感謝しています