2023.07.27 12:00
制作の舞台裏から 21
癒やしのオルゴール聖歌の最終回を迎えるに当たって
シリーズ「癒やしのオルゴール聖歌」も第44回でいよいよ最終回を迎える。
「癒やしのオルゴール聖歌」は、2019年12月からスタートし、光言社U-ONE TVとYouTubeで同時配信中だが、7月26日の時点での総視聴回数は、YouTubeだけでも約170万回を優に超えた。皆さまから長く親しく愛されるコンテンツとなったことに、制作担当の一人として心から感謝を申し上げたい。
「癒やしのオルゴール聖歌」の作品としてテーマは文字どおり「癒やし」だが、そのタイトル故に、制作は「模索」から始まることになる。
オルゴールと言っても「音色」は実にさまざまで、どの「音色」が最も癒やしを感じるのか、まずはその「音色」探しから始めなければならなかった。
オルゴールは「キー(調)」となるメロディーの音の高さよっても受ける曲の印象が随分と変わってくる。テンポ(曲の速さ)も重要である。
音楽の「癒やし効果」について調べてみると、人が癒やしを感じやすいテンポは、安静状態の心拍数と同じくらいの速さなのだそうだ。
その曲ごとに、この「音色」「キー」「テンポ」という三つの要素を微妙に調整しつつ、聞く人が「癒やしの効果」を少しでも得られるようにと工夫とチャレンジを重ねてきた。
「視聴者に癒やしを感じてもらえるだろうか」という本質的な問いは常にあった。
チェック用の音源を聞きながら、自らの日常生活の中で実際に活用してみた。祈祷する時のBGM、往復の通勤電車の中での視聴、仕事をしながら…。自宅での夜のくつろぎの時間にも使ってみた。
その結果、たとえ同じ曲でも、朝と夜では受ける印象が違うということが分かった。
一日も終わりとなって、リラックスした状態で聴くと曲のテンポを少し遅く設定した方が心地よいが、一日のスタートである朝に聴いてみると、「あれ? テンポが遅いな」と感じるのだ。
同じテンポであっても、聴く人のその時の精神状態や心拍数の違いなどによって、曲から受ける印象がだいぶ違ってくるのだ。
「果たしてどの場面を想定して制作したらよいものか…」。「癒やし」というタイトルを付けたが故の「苦悩」が始まった。
そもそも人は音楽の好みが異なるし、「癒やされる」と感じる観点も違うだろう。そう考えると、判断が難しく、結局は聖歌の本質である神に祈ってその導きを得ながら制作せざるを得ないのである。
そのようにしながら、一曲一曲を、精いっぱい、精誠を尽くしながら制作してきたのが、まさに「舞台裏」であった。
第9回までは、優しく美しいメロディーの聖歌を選曲したが、それだけでは曲数も限られるので、第10回からは、力強く勇ましいメロディーの曲にも挑戦しようと思い、「勝利者の新歌」を選曲した。
さまざまな工夫の結果、このようなタイプの聖歌でも「オルゴールでいける!」と確信を得た。
第13回は「善き闘いを成し終えて」を選曲。聴くと涙が込み上げてくるような短調のメロディーだが、聖和式で歌われる聖歌としてもよく用いられる。もしかしたら、聖和式のBGMとして使われるかもしれない。厳粛な思いで制作に臨んだ。
このような取り組みを重ねながら、オルゴール聖歌のレパートリーを少しずつ増やしていくことになる。
音源の制作は、音楽制作のプロである教会員の男性に依頼した。
1曲の長さは40分以上と決めたので、聴き飽きないように、一定のメロディーの繰り返しの中にも伴奏などの変化を加え、リズムにも一定の「ゆらぎ」をもたらすようにしてもらった。
完成した音源は、清らかなメロディーとその音色により、とても心地よいものとなった。
聖歌の根底に流れる精神性にも触れることができ、癒やしの効果を十分引き出すものとなった。
音源制作担当者のスキルの高さに驚くとともに、彼に制作依頼をして本当に良かったと感謝している。
音源制作が完了すると、次は映像編集の工程に入る。
ところで、映像の「癒やし効果」の一つとして、あるテレビ番組で、ふわふわと漂う“クラゲ”を「ぼーっ」と見ることで「ストレスが解消され、癒やされる」と聞いたことがあった。
オルゴール聖歌では、美しい花の画像を中心に設定し、曲のイメージに合わせて、光彩や“クラゲ”のようにふわふわと漂う映像効果を加え、視聴者が映像を見つめることで、少しでもその効果が得られるよう工夫したいと考えた。
映像編集は、当社の若手二世社員に担当してもらった。
彼女は、音源に合った映像素材を的確に探し出してその映像効果を見事に演出し、完成度の高い作品に仕上げてくれた。
真のお母様は今、「一に伝道、二に伝道、三に伝道」と語られ、伝道を最優先することを願っている。
「聖歌」は、慰労と感動をもって、人々の魂を神のもとにいざなう「聖霊の役割を果たす」といわれる。
この時に合わせて、「癒やしのオルゴール聖歌」の調べが、一人でも多くの人々の魂に届き、神のもとにいざなうその役割を果たすことができればと、心から祈ってやまない。
(T)
U-ONE TVからもご視聴いただけます。