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中和新聞セレクト Vol.7
家庭力アップ講座 14

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第7弾は「家庭力アップ講座」(多田聰夫氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』20137月~20163月に全19回で配信されたシリーズです。

14回 私メッセージ

(中和新聞 2015年5月8日 通巻760号より)

[第3章]授受作用について

<3> 愛情の伝え方(聞き方、話し方)

私メッセージ

子供に愛情が伝わる話し方「私メッセージ」
 「創造原理」では、全てのものは授受作用によって生存し、繁殖、発展すると説かれています。それは家庭においても当てはまります。家族がお互いに授受作用をすることで力が湧き、喜びが増し、幸福になります。家庭において良い授受の関係ができることが大切です。

 親が子供の気持ちに共感できたとき、子供が「親は私の気持ちを分かってくれている」と感じ、親の愛情が子供に伝わります。親の愛情が子供に伝わるのが「共感的聞き方」、「積極的聞き方」ですが、親の子供に対するもう一つの授受作用が「話す」ということです。子供に愛情が伝わる話し方が「私メッセージ」です。

 「私メッセージ」というのは、自分の感情的な思いではなく、共感したいという思いで、子供に対する気持ちについて、「私」を主語に表現します。

 「私メッセージ」の特徴は、相手(子供)の行動が善いとか悪いとかいった評価を下さずに、「私(父、母)はこう思うよ」と自分の気持ちを表現することです。子供のどの「行動」が「私(親)」にどのような「影響」を与え、「私」がどのような「感情」を抱いたのかを伝えるのです。

 親の「私メッセージ」は子供の気持ちに「共感」した上で伝えます。「私メッセージ」で、親の思いを愛情をもって子供に伝えることができます。子供も親の思いを知り、理解していくことができるのです。「共感的聞き方」や「積極的聞き方」ができるようになってこそ、「私メッセージ」を実践でき、親の願いを子供に伝えることができるようになります。

「横の関係」でまず子供の心を理解する
 「子供の行動や発言が問題だ」と親が感じるようになったとき、親はどうするでしょうか。

 ①子供の行動を変えようとする、②環境を変えようとする、③自分自身を変えようとするの3つがあります。例を挙げます。子供が「テレビを見たり、ゲームをしたりして、なかなか勉強をしようとしない」とします。その場合、以下のような親の行動が考えられます。

①「子供の行動を変えようとする」では、テレビを見たりゲームをしないよう、注意したり怒ったりします。

②「環境を変えようとする」では、テレビをなくしたり、ゲーム機を捨てたりします。

③「自分自身を変えようとする」では、自分の感情を抑え、子供の気持ちに共感しようとします。

 ここでまず、親と子供の位置を確認する必要があります。親子が心を一つにしようとすれば、「縦の関係」ではなく「横の関係」にならなければなりません。親が権威をかざしたのでは、子供の心はますます離れていきます。

 親は往々にして、子供に行動を変えることを願い、要求しがちです。しかし、まず子供の心に共感し、理解してあげたいと思えるようになることが必要です。

「私メッセージ」をスムーズに伝えるために
 親が子供に「私メッセージ」を送ろうとするのは、どのようなときでしょうか。

 第1に「子供の行動を親が心から受け止められない、それを何とかしたいとき」、第2に「親の気持ちを子供に理解させたいとき」、第3に「親の感情表現に対して子供に耳を傾けさせたいとき」、第4に「親の欲求に対して子供が思いやりを示せるようにしたいとき」などです。

 それでは、どうしたら子供に「理解される」でしょうか。次のことを実践してみましょう。

①いつも自分に次のような質問をしてみる
 「(今自分がしようとしている)この返答は本当に子供の役に立つだろうか。それとも、ただ子供を正したいという親としての欲求を満たそうとしているだけだろうか」。もし自分の中に怒りの感情があるならば、まだ返答すべきではないことを理解し、心が落ち着くまで待ちましょう。

②「まず理解する」を心掛ける
 子供が何を大事に思っているのかを知り、この返答が子供の目標達成にどう貢献するかを考え、いつも子供に「愛の言葉」で語り掛けるようにしましょう。まず子供の気持ちを「分かってあげたい」と思えるようになることです。

③子供と、子供がしたこととを分けて考える
 子供を責めないで、自分の気持ちを伝えることです。子供にレッテルを貼り、先入観で見ないようにしましょう。子供がとった行動の結果がどうなっているかを説明し、親がどう感じたかを伝えます。子供と、子供の問題行動を一緒にしてしまうと、「おまえは駄目な人間だ」という間違ったメッセージが子供に伝わり、子供は「自分は駄目な人間だ」と思い込んで自信をなくします。

④「私は…」との言い方でメッセージを伝える
 自分の意見や感じたことを、「私は…」という言い方で伝えます。「あなたは…」で始まるメッセージは、子供の問題を指摘し、子供の行動を変えさせようとする表現になるので、子供が親の愛情を感じることができないでしょう。

 共感したいとの思いで、子供に対する気持ちを「私」という言葉を主語にして表現するのです。それが「私メッセージ」です。「私はこう思う」、「私はこう感じている」と自分の気持ちを表現することで、子供の中に、自発的に行動を変えようという気持ちが生まれやすくなります。

 どの行動が親を困らせているのかを、受け入れやすい形で伝えます。子供は親がなぜ怒っているのかを理解していないことが多いのです。

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 次回は、「自尊感情をもつ子供」をお届けします。

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