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ダーウィニズムを超えて 1

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

発刊によせて

 今日、日本を取り巻く世界情勢は大変動の時を迎えています。そして日本と世界が今後どのような方向に向かうのか、重大な問題です。

 平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックでは、北朝鮮から金与正(キム・ヨジョン)氏と金永南(キム・ヨンナム)氏が訪韓して韓国を北に引き寄せようとしました。ペンス米副大統領と安倍晋三首相が文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領に対して、微笑外交に惑わされないようにと警告を発しましたが、文大統領は左翼的発想の持ち主であり、憂慮せざるを得ません。さらに、北朝鮮のミサイル、核の脅威の陰では、一帯一路構想の下、世界を支配しようとする中国の覇権主義が、日本のみならず、アジアと世界の深刻な問題となっています。

 最近の「人民日報(2018.1.25)」によれば、習近平主席の演説に関連して、「思想の光で世界の進路を導こう」、「真理の光をもって暗闇を照らした」と、習主席を世界の救世主のように称えています。しかし、その思想の光とは、中国共産党による世界支配の野望を隠したものであって、人類が願う真なる光ではありません。

 神が願われ、人類が切望している真なる理想世界に向かって、ここに真なる光としての、天からのビジョンとリーダーシップが必要です。そして、人類の真の父母であられる文鮮明(ムン・ソンミョン)先生ご夫妻によって提唱された統一運動と、その理念である統一思想がクローズアップされてきました。

 今日、ダーウィニズム、マルクス主義、フロイト主義の影響により、唯物論、無神論が支配的になり、それはあらゆる思想分野に影響を及ぼしています。

 本書が、特に自然科学の分野において、統一思想に基づいた神の実在と宇宙創造を証(あか)しすることによって、混迷する日本と世界の真なる希望の光となることを願います。

20183
日本統一思想研究院名誉院長 小山田秀生


はじめに

 ダーウィンの進化論によって、神の存在と、それによる自然界の創造は否定され、偶然の突然変異と自然選択によって生物は進化したという考えが、今日の生物学のみならず、自然科学の全分野を覆っています。

 物理学においては、神の創造や目的論はタブー視されるようになり、神は完全に排除されてしまいました。宇宙論においては、我々の宇宙のほかに無数の宇宙があり、我々は、たまたま生物の生存に適した地球という惑星を生んだ宇宙に住んでいるというような、SF的な宇宙論が現れています。唯一の統一理論をめざしてきた超ひも理論においても、無数の解があるというように、途方に暮れる状況に直面しています。

 さらに、宇宙がこのまま加速膨張を続けて、やがては空っぽの宇宙になるか、あるいはどこかで収縮に転じればビッグクランチへと崩壊するとして、暗澹(あんたん)たる未来像が描かれています。さらには、宇宙を破壊する“真空崩壊”などもささやかれています。

 このような今日の自然科学の混迷は、神の存在と神の創造を排除したところにあります。今こそ、「宗教のない科学はかたわであり、科学のない宗教は盲目である」というアインシュタインの明言に耳を傾けるべきです。今日の科学はまさに羅針盤を失った船が航海をするようなものです。今や自然科学は、神を見いだし、真なる羅針盤に従って真理の海を航海しなくてはなりません。

 統一思想は、人生の道を煩悶(はんもん)してきた韓国統一思想研究院の李相軒(イ・サンホン)院長(19141997)が、統一運動の提唱者である文鮮明先生(19202012)の教えを受けて、その中に、人生の根本的問題を解決する驚くべき数多くの真理があることを見いだし、それを思想的に体系化したものです。

 2009年に『ダーウィニズムを超えて─統一科学をめざして』を発刊して以後、自然科学も日進月歩で進展しているので、最近の動向をふまえ、「進化論を超えて─新たな展望」と「宇宙の統一原理に向けて」の二つの論文を増補しました。

 混迷する自然科学に真なる指針を与えうるように願いながら、統一思想に基づいて研究した成果を著した次第です。

20183
大谷明史

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 次回は、「進化論を超えて ―新創造論の提唱―」をお届けします。


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