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家庭教育局だより 10
二世の社会結婚に向き合う④
父母が信仰の手本を示す

渡邊永二 家庭教育局祝福教育部部長

 2020年1010日午後2時から、清心(チョンシㇺ)平和ワールドセンター(現・HJグローバルアートセンター)を主会場として、「2020特別祝福式」が挙行されました。この祝福式では、同時に社会結婚をしたカップルに対する恩赦も行われました。そこで今回は、「二世の社会結婚に向き合う」と題して、家庭教育局祝福教育部の渡邊永二次長(当時/現在は祝福教育部部長)に、具体的な事例を挙げながら解説していただきます。(『祝福家庭』2020年冬季号より転載)


▲全体で億万歳をすると紙吹雪が舞い、新郎新婦の門出を祝った

 以下に紹介するケースは、本部に寄せられた証しに、匿名を守るための修正を加えています。

事例3
父母が信仰の手本を示す

 最後に紹介するのは、Yさん(3万双、母親)家庭のケースです。

 あるとき、Yさんの次女Uさんが、恋愛していることを突然告白してきました。次女は社会人なのですが、大学生のときからつき合っていて、すでに3年以上が過ぎていました。Yさんは目の前が真っ暗になりました。当然認めることはできません。その日から夫婦で条件を立てながら、子女のために精誠を捧げたといいます。

 子女の告白から1年、Yさんは娘と向き合うことを決意します。そして相手の男性T君に、「み言を学んでほしい。そのためにも教会の青年部につながってほしい」と伝えます。T君はその両親の思いを受け止め、青年部につながりみ言を学びます。それは同時にUさんの願いでもありました。

 純粋なT君はみ言に相対します。統一原理をひととおり学び、また短期の修練会にも参加します。み言の理解が深まるにつれてT君は、「一世である自分と祝福二世であるUさんが祝福を受けてもいいのだろうか」と思うようになりました。「自分は一世と、Uさんは二世と、それぞれ祝福を受けたほうがいいのではないか」と真剣に悩み、アベルにも相談をしました。そして最後は「天に委ねる」というところまで信仰が深まったのです。

 教会のスタッフは、T君の信仰的成長を見ながらも、Yさん家庭の意向もあったので、そのまま社会結婚恩赦の方向で話を進めていきました。そして、恩赦の祝福に導かれたのです。

 現在、T君は仕事をしながらも、時間があるときは伝道実践を行っています。

 父母としては、子女を祝福に導くだけでも多くの投入が求められます。それが社会結婚恩赦とあれば、なおさらでしょう。しかし、祝福はゴールではなくスタートです。祝福を受けた二人が天の父母様を中心とした理想家庭をいかに築くかが、何より大切なことなのです。それは社会結婚恩赦であっても同様です。

 まれに、「礼拝に参加しなくても、み言を学ばなくてもいいから、とにかく祝福だけでも受けてほしい」という父母の声を聞きます。もちろん、その気持ちは痛いほど分かりますが、父母は「祝福の先」も見据えなければならないのです。

 ここで紹介したケースは父母が「祝福の先」をしっかり見据え、相手を青年部に連結しています。また青年部に任せっきりにするのではなく、父母も時にはその相手と交流しながらケアをしています。

 T君は、教会スタッフの投入とともに、信仰者としての手本を見せ続けてくれたUさんの両親にも深く感謝していました。正にT君はYさん家庭に伝道されたのです。

 さらにT君は、自分の両親を既成祝福に導いています。このような祝福の拡大も社会結婚恩赦から生まれてきているのです。

願われる父母の姿勢
どのような状況でも諦めずに投入し続けたとき、道が開ける

 3つのケースを紹介しましたが、そのポイントは次のようにまとめられます。

①子女の気持ちを心から受け止める
②教会スタッフと連携する
③相手を伝道する決意を固める

 そして、それらの前提にあるのが、「父母が決して諦めなかった」ということです。

 どのような状況にあっても、たとえ希望の光が見えない暗闇にあったとしても、父母が諦めなければ、必ず道はあるのです。

 真の父母様が恩赦の道を開いてくださるというのは、足りない私たちの事情を知りながらも、天の父母様と真の父母様が私たちを諦めていない、ということにほかなりません。私たちが子女を祝福に導きたいと願う以上に、天の父母様が二世を、三世を祝福に導きたいと願っていらっしゃるのです。

 そのような天の父母様、真の父母様の願いを心から受け止め、どんな困難にも負けない祝福家庭となりましょう。

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