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家庭教育局だより 9
二世の社会結婚に向き合う③
教会スタッフが継続してケア

渡邊永二 家庭教育局祝福教育部部長

 2020年1010日午後2時から、清心(チョンシㇺ)平和ワールドセンター(現・HJグローバルアートセンター)を主会場として、「2020特別祝福式」が挙行されました。この祝福式では、同時に社会結婚をしたカップルに対する恩赦も行われました。そこで今回は、「二世の社会結婚に向き合う」と題して、家庭教育局祝福教育部の渡邊永二次長(当時/現在は祝福教育部部長)に、具体的な事例を挙げながら解説していただきます。(『祝福家庭』2020年冬季号より転載)


▲194か国をオンラインで結んで行われ、40か国で約700組が参加した

 以下に紹介するケースは、本部に寄せられた証しに、匿名を守るための修正を加えています。

事例2
教会スタッフが継続してケア

 子女の養育は父母の責任とも言えます。それは聖婚問答で誓っている内容でもあります。しかし、時として親子だからこそ難しいこともあるでしょう。

 これから紹介するケースは、教会のスタッフが継続してケアする中で祝福に導かれた内容です。

 二世のOさん(女性)は親との関係が悪く、高校卒業後、すぐに家を出てしまいました。半ば親と縁を切る形で家を出たOさんでしたが、唯一、教会との接点として残っていたのが、学生期に世話になったT学生部長でした。

 その後、Oさんは恋愛し、結婚します。これにより完全にOさんは教会に足を運ばなくなるのですが、それでもT部長はOさんと定期的に連絡を取っていました。

 ある日、T部長はOさんから連絡を受け、会いに行きます。用件自体は大したことはなかったのですが、会話の中でOさんが、ぼそっと「祝福は受けたほうがいいのかな?」と尋ねてきたのです。T部長はそのとき何かを感じ、「祝福を受けよう。そのためにも親とよく話そう」と熱心に伝えたといいます。Oさんはそのことをしっかりと受け止めている感じでした。

 そして、T部長はOさんの父母に、「Oさんと祝福について話してみてください」と伝えました。Oさんは家を飛び出すように出ていったきりで、親に連絡することもほとんどなかったのですが、T部長の橋渡しで、親子の話し合いの場が設定されました。そして、そこで「いつか恩赦があったら祝福を受ける」という方向に話がまとまり、このたびの祝福式に参加することになったのです。

 思春期や反抗期といった多感な時期に生じた親子のすれ違いが長引いてしまい、大きな溝になってしまうことも少なくありません。ましてや、すでに家を離れ、自立した子女であれば、関係改善は簡単ではないでしょう。

 そんなときは、積極的に教会スタッフの力を借りるのも大切です。もし子女が、学生会活動や青年部の活動をしてきた経緯がある場合は、教会スタッフの働きかけが効果を生む可能性が高いでしょう。

 家庭の痛みをオープンにすることは、口で言うほど簡単ではありません。ただ、その痛みを誰とも共有できず、心の密室に閉じ込め続ければ、心は次第に重くなります。もちろん、誰彼構わず共有しようというわけではありません。まずは、信頼できる方だけでよいと思います。

 このケースのほかにも、「教会長に相談したら熱心に話を聞いてくれて、さらには直接、講義をしてくれた」「家庭部長が子女とその相手と会い、結婚や家庭の大切さをしっかりと伝えてくれたことで、安心して祝福に臨むことができた」などの証しが多くあります。

(続く)

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