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中和新聞セレクト Vol.7
家庭力アップ講座 9

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第7弾は「家庭力アップ講座」(多田聰夫氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』20137月~20163月に全19回で配信されたシリーズです。

9回「信頼口座」への預け入れ

(中和新聞 2014年7月18日 通巻682号より)

[第2章]心の姿勢 「信頼口座」への預け入れ

「自分から変わる」ために
 私たちはみな「家族で楽しい団らんの場をもちたい」と思うでしょう。しかし、なかなか思うようにいかずに悩み、あきらめる人がいるかもしれません。そのような場をもつためには家族の間に信頼関係が保たれている必要があります。

 家族の信頼関係を築くことは意外と難しいものです。そのためには「自分から変わる」ということが欠かせません。そのことの重要性を理解し、生活での実践内容について考えます。

 家族の信頼関係を築くことを、銀行にお金を預け入れる行為に例えると、お金の代わりに「信頼」を、銀行の代わりに家族一人一人の心に「預け入れる」と考えることができます。

 「預け入れる」とは、積極的に行動しながら家族の中で「信頼を得る」行為を示します。一方「引き出す」とは、信頼を低くするような行為で、感情的になって相手の反発を招くことです。

 家族の間に高い「信頼残高」が保たれていると、お互いの授受作用は良好となり、少しのすれ違いが生じても信頼残高が補ってくれます。

 次のようなみ言があります。「『ために生きよう!』。(相手に)負債を負わせようということです。文総裁が今日までこの統一教会を導きながら、それを考えてきました。最も恐ろしいことが負債を負うことです。精誠を尽くした人がもってきた物は、この宇宙にそれ以上の精誠を尽くさずに受ければ、それは毒薬よりもっと恐ろしいのです」(『後天時代の生活信仰』P123

 この「負債」を負うことは、今回紹介している信頼口座から引き出すことになります。「負債は毒薬より恐ろしい」というのですが、逆に言えば、それほど効果があるということです。

「預け入れ」の5つの実践
 信頼口座への預け入れの具体的な実践について次に5つの内容を紹介します。

①「親切にする」
 第1は「親切にする」ことです。まず言葉での「親切」について考えてみましょう。「ありがとう」「すみません」「何かできることはある?」「喜んで」などがあります。親が子供に対して素直に「ありがとう」と言えるなら、その家庭は明るく、子供たちも素直に思いを表現できるでしょう。

 また親から子供に「大好きだよ」とか「愛してるよ」と伝えましょう。ある父親が息子に「大好きだよ」となかなか言えず、息子と電話で話した際、やっと伝えたそうです。すると電話口の息子が黙ってしまったのですが、実は泣いていたというのです。親の愛情が伝わったのです。

 次に「行動」での親切です。「一緒に皿洗いをする」や「一緒に買い物に行く」「愛情メモを弁当箱に入れる」「電話で感謝の気持ちを伝える」「抱擁する」などがあるでしょう。

 子供は親と一緒に何かをすることが嬉しいのです。子供に「お皿を洗いなさい」と命令するより、「一緒に皿を洗おうか」と言ってみてください。

 また、子供の誕生日の前後に誕生日にまつわる内容でメールを送ってみてください。「お父さんはお前の応援団長だよ」とか、誕生日の前日に「あすはお母さんも初めて20歳の娘をもつのね。わくわくするわ」などと送るのです。親と子の心に「家族」という種をしっかりと植えておけば、親切にすることができるのです。

②「自分から謝る」
 第2は「謝る」ということです。「ごめんなさい」と言えるかどうかは家族に対する主体性のバロメーターです。自分の立場にこだわったり、他人の評価を気にして「謝る」ことをしない親がいます。謝ることが自分のダメージになることはありません。かえって家族に対して積極的に責任をもつことになります。

 親が子供に謝ることで、子供は親を許す機会を得ることになります。何でも話し合える親子関係をスタートできるのです。「早く謝る」ことが大切です。「あなたが謝ったら、私も謝る」というのは最もよくないケースです。

③「陰口は言わない」
 第3は、その場にいない人の悪口を言わないことです。「私の親は絶対に陰で人の悪口を言わない」という信頼は、子供の心にとても高い信頼を預け入れることができます。

④「約束を守る」
 第4は、約束したらそれを守ることです。子供との約束を、親のほうから破ってしまうことが案外多いのではないでしょうか。約束を守れないときはしっかりと子供の目を見て謝り、「ごめんね。必ず今度時間を取るからね」と伝えてください。子供にとって、親が約束を守り、自分のために時間を取ってくれるという信頼感が重要です。そのような信頼感があると、子供の心に親の話を聞く余裕が生まれるのです。

⑤「許す」
 第5は「許す」ことです。親子間でも「相手を許す」まで相手は「加害者」、自分は「被害者」であり続けます。被害者であるかどうかは自分自身が決定します。被害者である限り、心は成長しません。親子間にわだかまりがある場合は、親がまず相手(子供)を許してください。

 以上の5項目を中心に、家族一人一人の心に信頼を預け入れていく生活に挑戦してください。それが「自分が変わる」ということです。

 そうすれば何でも話し合える家族関係の土台ができます。もちろん、すぐにできるというわけではありませんが、理想家庭を築くという夢をあきらめずに努力しましょう。

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 次回は、「理解してから理解される」をお届けします。

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