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中和新聞セレクト Vol.7
家庭力アップ講座 4

 毎週2回(火、金)、さまざまなコンテンツを配信している『中和新聞』。Blessed Life編集部が同記事のアーカイブスからおすすめのコンテンツをセレクトして皆さまに紹介します!
 第7弾は「家庭力アップ講座」(多田聰夫氏)のシリーズを毎週水曜日(予定)にお届けします。
 同コンテンツは『中和新聞』20137月~20163月に全19回で配信されたシリーズです。

第4回 自分が優先しているものは

(中和新聞 2014年2月10日 通巻639号より)

[第1章]序論 <2>

(5)自分が優先しているものは何かを再確認する
 日常の家族関係の中で、子供は親の言葉や行動を見ながら、その親の「動機」を敏感に感じ取っていきます。

 ここで自分が何を優先し、何を価値視しているのか再確認してみましょう。自分の心を見詰めて整理してみると、自分の動機というものが見えてきます。そして、子供を見詰める余裕が生まれてきます。子供を見詰めることができないのは、自分自身を見詰めていないことだと考えてみてください。

 以下の3つの項目を通して、家族を見詰める自分の心を、今一度振り返ってみましょう。

①家族の問題点を挙げてみる。

②家族がこうなったらいいと思う点を考えてみる。

③なぜ、そのように望んでいるのか、理由を考えてみる。

 次に3つの例題を紹介します。比較的幼い子供がいる場合の例ですが、当時のことを思い出したり、状況を想像したりしながら、自分のこととして素直に顧みてください。

〈1〉部屋を散らかす子供を怒るあなた。楽しく遊んでいる子供の気持ちより、部屋をきれいに保ちたいという、あなたの気持ちを優先していませんか。

〈2〉塾に行こうとしない子供に「行きなさい」と言うあなた。子供が良く勉強できることで、自分が良い親であると人から認められたいと思っていませんか。

〈3〉食事を残す子供に「ちゃんと食べなさい」と言うあなた。子供の気持ちや健康よりも、料理を作ったときの自分の気持ちや労力を認めてほしいという気持ちを優先していませんか。

 以上の例題について、あなたは子供の気持ちをしっかり受け止めることができていたでしょうか。それとも、親(自分)の事情を優先していたでしょうか。内省の一時をもってみるとよいと思います。

(6)真の愛情を伝えましょう
 親子の間で「おまえが子供で良かった」、「二人がお父さん、お母さんで良かった」と言えるような関係を育むためには、お互いの信頼関係を結ぶことが大切です。そのために親は子供の心を感じ取ることができるように常にアンテナを張っておかなければなりません。子供の気持ちを感じながら、素直に親としての気持ちを伝えるのです。心を開いてこそ授受作用が始まります。

 この場合の「授受作用」とは横的関係の中で成立するものです。横的関係の中にこそ、親子が心を一つにできる道があり、それを通して愛が成長するのです。

 心についてみれば、「育つ」ことが主体であり、教えて「育てる」ことは対象です。「教える」ことを中心にする親は、「自分に優しく、人に厳しい」人が意外に多いのです。一方、子供の心が「育つ」ことに関心をもっている親は、「自分に厳しく、他人に優しい」人が多いようです。

 子供の心が「育つ」ことを優先している家庭では、子供の「自立心」、「思いやりの心」、「感謝の心」が育つようになるでしょう。

 「親は権力をもって子供を扱うべきだ」という考え方があります。「親が権力をもたなければ、子供はつけ上がり、親の言うことを聞かなくなる。だから、親が権力と位置をもって命令し、指導し、躾をしないといけない」というものです。

 その場合、親が子供を愛することに自信がなかったり、しっかりと向き合って授受作用することができなかったりする時に、「権力」にものを言わせようとする傾向が強いのです。

 子供としっかり向き合い、真の愛情を届けることができれば、親子の心を一つにすることができるのではないでしょうか。親の「上からの目線」では子供と心を一つにすることはできません。子供はそれを敏感に感じ取ってしまうのです。

子供の「横」に立って心を通わせよう
 次のような真の父母様のみ言があります。

 「一心になろうとすれば、一つは上にあり、もう一つは下にあるという状況ではできません。父が上にいて息子、娘は下にいる、それでは一心になれないのです。同等な立場で平面的に位置していてこそ、一心になれるのです。……夫婦も同じです。横的関係において内外関係、前後関係の位置に立ってこそ一心になるのであって、上下関係では絶対に一心になれません」(『後天時代の生活信仰』44ページ)

 これは全ての人間関係に当てはまるものでしょう。親として子供と心が通じ合えるようにしたいのなら、子供の「上」にいるのではなく、子供の「横」に立って寄り添うように接する必要があります。時には、涙を流しながら子供を背負ってあげるような気持ちも必要ではないでしょうか。そうすれば、子供は親を信頼し、慕って、横から上へと親を押し上げてくれるのです。

 「足跡」という詩があります。その中で、人生の中でいつも主(神様)の足跡と自分の足跡が並んでついていたのに、自分が一番つらい時に足跡が1つしかなかったのを見たその人が主に祈ります。すると主は「大切な息子よ。それは私の足跡であり、苦難の中のあなたを私が背負っていたのだ」と答えられたというのです。

 親なる神様は、幼い人間の横ではなく、下にいて人間を背負い、その心を分かってくださっているのです。

 親とはいえ、神様から見れば未熟な私たちです。子供と「一心」になるために、まずは「同等な立場で平面的に位置する」ように心掛け、実践してみてください。

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 次回は、「家庭の目的をもとう(1)」をお届けします。

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