2022.10.15 22:00
私の心の中にいる神様 143
つばを吐きかける人の幸せを祈る
良心との対話で、ワクワク感が止まらない!
毎週土曜日に配信予定です。
つばを吐きかける人の幸せを祈る
私は看護師です。職場に対応の難しい年配の患者さん(男性)がいます。
その人は、「私は死んでいる」「もう死ぬ」などと、口癖のように言います。そして、自分の思いどおりにいかないと、すぐ相手を罵倒するので、スタッフの皆が手を焼いていました。
私も名指しで罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられ、つばを吐きかけられたこともありました。
当然、激しく葛藤します。しかし、反発したい思いを脇に置いて、この人と良い関係を持つことを大事にしていこうと、心に決めました。
意識を「今ここ」に置き、この人の人生が幸福に満ちあふれるようにと「祝福の祈り」を折々にささげるようにしました。
また、この人の人生を知りたいと思い、折に触れて尋ねました。
「そういうことがあったんですね」「そんなこともあったんですか」と、相づちを打ちながら聞きました。
その男性が薬剤師として頑張ってこられた内容には、同じ医療従事者として、感謝の思いを伝えたりもしました。
そういうことを繰り返しても、変わらず怒られることも多かったのですが、ある時、体を拭いた後に感謝の言葉を言ってくれたのです。初めてのことだったので、驚きました。
その後、小さな変化が起き始めました。
他のスタッフがこの患者さんと関わった後で、「あなたのことを褒めていたよ」と教えてくれました。
私が出勤すると、「来たか」と言いながら、名前を呼んでくれるようになりました。
私が休みの日は、「彼はどこだ」と周囲に私のことを聞いているそうです。
他のスタッフたちは、「どうしてこういうふうになったの?」と不思議がっています。
ある時、このかたが、「今まで頑張って生きてきたけれど、死んでしまう。それが悔しい」と吐露しているのを聞きました。
それを通して、このかたがいつも「死ぬ」と口癖のように言っていた理由が分かりました。
このかたにとって「死」というのは全ての終わりであり、悲しみでしかなかったのです。
医療で肉体の治療はできても、心が元気になるとは限りません。心が元気でないと、また体に異変が起きて、病院に戻ってきてしまいます。
心の世界、霊的な世界をきちんと伝えて、希望を持ってもらうこと、それがみ言を知った私の務めだと感じています。
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次回は、「夫婦で手を取り合って祈祷しています」をお届けします。