夫婦愛を育む 19
かわいい妻になるのは難しい?

ナビゲーター:橘 幸世

 私の話は、基本的に女性向けですが、今回はとりわけ女性だけに読んでいただけたらと思います(男性の皆さま、申し訳ございません)。

 芸能ネタで恐縮ですが、テレビをつけたら元知事のI氏(71歳)と女優で画家のN氏(57歳)の婚約会見をやっていました。合わせて128歳という熟年カップル。幸せそうでした。I氏が何でも自分で決めるので、N氏は自分の意見が通らない時、ぷ~っとほっぺを膨らませます。するとI氏が彼女のほっぺを指で挟んでつぶす、という微笑ましいやりとりを記者たちの前で実演していました。

 あれれ? どこかで見たような…?
 私が講座で紹介しているパターンの一つですね。

 「夫が守りたくなるようなかわいい妻になりましょう」とお話しする中で、そのためにどうしたらいいかを多岐にわたり具体的に説明しています。
 真面目な皆さんは、その具体的事例を全部やろうとされますが、さまざまな事情からそれが現実的に無理なかたももちろんいらっしゃいます。
 「これはできない」「あれもできない」「どうしたらいいですか?」と聞かれますが、一つでもできそうなことをやってみればいいのです。

 夫の健康面で問題があり(重い物を持ち上げるなど)、外的には頼れないのであれば、精神的に頼ればいいのです。夫の知恵を求めたり、夫の信念に寄りかかったり。究極は夫の存在そのものをよりどころとすれば、彼はそれだけで妻をいとおしいと思うでしょう。

 私は地を這(は)う類いのものが大の苦手なのですが、小学校低学年だった息子と歩いていた時、“それ”に出くわしました。私は悲鳴を上げ、思わず息子の後ろに隠れました。小さな息子はきっと怖かったでしょうが、両手両足を広げて後ろの私を守るようなポーズを果敢に取りました。男の子だなぁと思いました(幸い“それ”はすぐ草陰に見えなくなって事無きを得ました)。女性を守ろうとするのは男性の本性です。

 自分の弱さを夫の前には素直に出して、夫の力を必要としましょう。夫に甘えるのが上手な女性を身近に見つけて、まねてやってみるのもお勧めです。どうしたらいいかなぁと思いを巡らせていると、ピッタリのお手本が見つかったり、ひらめきがあったりしますよ。
 とりわけ、そんなの柄じゃないと思っている女性の皆さまは、殻を破る楽しさを味わってみてくださいませ。