「幸せな結婚」を考える 19

5章 愛の成長(後編)
夫婦の愛(1):人生を彩る「夫婦の愛」

ナビゲーター:長岡 高史

 前章では「子女の愛」と「兄弟の愛」についてお伝えしました。この二つの愛が正しく育まれれば、人は仕事においても、交友関係においても、安定した土台の上でそれぞれの関係をこなすことができるでしょう。

 しかし、男性も女性もそれだけでは「何か」が足りないのです。

 例えば、自分の人生の目標を掲げ、自分自身を輝かせながら仕事をバリバリこなす人がいたとします。また、その人は共通の趣味を共有できるような友人が多くいて、週末ごとに遊びに行くような充実したプライベートを送っていたとします。しかし、そんな彼(彼女)の人生も、それだけでは「何か」が足りないのです。

 その「何か」とは何でしょうか? それは「誰かを心の底から愛している」という実感であり、「誰かから心から愛されている」という確信です。

 「誰かのために存在したい」「自分の全てをささげたい」。それはまさに押さえられない衝動なのです。

 男性は女性を、女性は男性を求めます。人は一人では生きていけません。誰かと共に生き、誰かのために生き、誰かを愛して生きるようになっているのです。

 その思いは理屈を超えた、魂の欲求なのです。