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神の子を生み育てるために 43
幅広い人間関係で成長

 アプリで読む光言社書籍シリーズ、「神の子を生み育てるために」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 これから妊娠・出産を控えているかたにも、そして子育て真っ最中のかたにもぜひ読んでいただきたいシリーズです!

須永孝子・著

(光言社・刊『神の子を生み育てるために』より)

幅広い人間関係で成長

祖父母は子供の支え
 子供にとって最初に出会う人が母親であり、父親であることは大事なことです。親は教師でもあります。何も知らない、分からない子供を導いて、立派な大人へと成長させる導き手です。しかし子供は親だけで育てるものではありません。子供にとって、親以外に多くの人たちと出会うことは大きな刺激であり、成長していくための大事なステップでもあるのです。

 子供が、母親や父親の次になつく人は、祖父母でしょう。祖父母は子供にいろいろな面で大きな影響を与えます。小児精神科医のアーサー・コーンヘーバーは、「情緒的な結びつきの強さや影響力で、祖父母は親に次いで子供にとって大きな存在だ」と語っています。しかも祖父母と孫の間には、親子の間に見られるような緊張関係はないと言われます。「神様はどこにいるの?」、「神様ってどんな人?」と子供が質問を投げかける相手も、多くの場合、祖父母です。現実的な父母に代わって、祖父母は魂の深いところで子供を支える存在となっています。

 祖父母以外に、おじやおばも加わって、子育てを支える姿が見受けられますが、子供にとって親とは違った接し方でかわいがってくれる人がいることは、うれしいことです。

 また兄弟姉妹との関係もとても重要です。一般的に、兄弟がいれば、一人っ子よりはるかに幅広い人間関係を経験できます。例えば競争、嫉妬、交渉、仲良くやるということなど。英国・精神医学所の発達心理学者、ジュディ・ダンは、「他者に対する理解の深さが、一人っ子の場合とは違ってくる」、「兄や姉がいる子供は発達のペースが速いようだ」、「兄・姉にあやされるほうが、親にあやされるより、ずっとうれしそうな顔をする。子供同士だと、興味の対象や面白いと思うことが共通しているからだろう」と語っています。兄弟関係を通して得られるものには、計り知れないものがあるのです。

 米国立児童健康・発達研究所が行った調査で、保育の質が子供の発達に大きな影響を及ぼすことが確認されました。この調査は、13か月〜3歳の子供の知的・言語的発達を調べたものです。これによると、保育に当たる時間数は直接影響を及ぼさないが、質は非常に重要で、スキンシップを持つ、子供の気持ちに反応する、子供によく話しかけるなどの「積極的な保育」に着目した結果、質の高い保育を受けている子供ほど、認識、言語能力が高いことが分かりました。「良い保育者と接することで、子供の世界は広がる」とは、米・心理学者アリシア・リーバーマンの言葉です。

 子供は、よちよち歩きのころから仲間を見つける楽しみを学びます。友達と遊ぶうちに衝突したりしながら、意志の違う仲間とのつき合い方を身につけるのです。子供たちが友達との間に家族意識、兄弟姉妹の意識を持って、お兄さん、お姉さん、弟、妹という思いで遊んだり、助け合ったり、一緒に勉強をしたり、食事をしたりして楽しめたら、とてもよいと思います。

 そのためにはまず、親や子女教育担当者が家族意識を持って子供たちに接し、教育していくことが大切です。教会の中ではぐくまれた家族意識、兄弟姉妹意識を外へ展開していくと、子供たちを守ることができるようになります。

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 次回は、「テレビの見せ方」をお届けします。