2022.03.14 17:00
コラム・週刊Blessed Life 208
韓国大統領選、尹錫悦候補が勝利!
新海 一朗
3月9日に韓国の大統領選挙が行われ、尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏(保守系最大野党「国民の力」)が僅差で勝利を勝ち取りました。
投票率は77.1%で、尹錫悦氏が48.56%、李在明(イ・ジェミョン)氏(革新系の与党「共に民主党」)が47.83%という結果でした。大接戦を制したのは尹錫悦氏でした。
まずは、尹錫悦氏の勝利を祝賀したいと思います。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期5年間において、日韓関係は最悪ともいえる状態に陥り、外交面から見た韓国の姿勢は、日本にとって非常に険しいものがありました。
これに対して、尹錫悦大統領の誕生は日本にとって喜ばしいことです。尹氏は対日関係を重視し、首脳間のシャトル外交(両当事国の間を頻繁に行き来して合意を形成する外交交渉)を実施する旨を表明しています。
これが尹氏の勝利を祝賀する理由です。
尹錫悦氏は1960年生まれの61歳、2017年5月からソウル中央地方検察庁検事長を務め、2019年7月から検事総長に就任します。
尹氏は検事総長時代に、法相(法務部長官)であったチョ・グㇰ氏の起訴など、大統領周辺の不正を捜査したことから、文大統領ににらまれ、追い出されるかたちとなり、2021年3月、検事総長を辞任します。
そして2021年6月29日、大統領選に出馬することを表明し、今回の勝利を勝ち取る幸運を見せることになったのです。
これまで選挙活動を通じた政治のフィールドを一度も経験したことのない人物、政治家の経歴を持たない人物が、大統領にのし上がるという、韓国史上、まれに見る大変なドラマを演じた尹錫悦氏でした。
しかし、その異色の経歴にこそ、未経験の罠ではなく、可能性の光が差し込んでいると見ることもできます。
ちょうど、ハリウッドスターのロナルド・レーガンが第40代米国大統領(在任期間:1981年1月20日~1989年1月20日)になって、ソ連の崩壊を導いたのと同じような偉大な功績を残す人物になるかもしれません。
尹錫悦氏は明確なビジョンを持っている人です。
2021年7月5日に行った演説の中で、彼は揺るぎない信念と決意を語り、「私は、人に忠誠を尽くす以上に、国に忠誠を尽くすという信念を持って生きてきた。公職にいる者は、常に国民に正直でなければならない。私はその信念を守ってきた」と訴えました。
さらに「この政権(文政権)は、私を執拗(しつよう)に引きずり降ろそうとしてきた。しかし、いかなる政治工作も私、尹錫悦を崩すことはできない」と述べ、汚職にまみれた文政権とその周辺の「嫌がらせ」を一蹴し、毅然(きぜん)とした姿勢を見せます。
そして「今回の大統領選挙は、いつもの選挙とは違う。国の存亡が懸かった絶体絶命の選挙だ。政権交代がなければ、法治の蹂躙(じゅうりん)は継続されるだろう。非常識が常識となり、民主党の逸脱はさらに加速するだろう」と述べています。
韓国の政治の堕落が極限に達し、人々の希望が見えない現状を語ったのです。
外交姿勢に関して「国際社会と徹底した共助を通じて非核化をより効率的に推進する。われわれと民主主義の価値を共有する国との協力を強化し、国益優先の実用外交をやるだろう」という言葉は、米国と日本こそが価値観を共有する国であることを明言していることは明らかです。韓日米の軸を立ててこそ、韓国の未来、そして朝鮮半島の未来があるということなのです。
韓国国会は現与党の「共に民主党」の議員が約6割を占めています。尹錫悦次期大統領の前にはこの厚い壁が立ちはだかっています。
尹次期大統領には固い信念でこの厚い壁を突破し、日韓米の安定を取り戻してもらいたいものです。