2022.02.28 17:00
コラム・週刊Blessed Life 206
ついにロシア軍がウクライナへ侵攻!
新海 一朗
2022年2月24日、ついにロシア軍がウクライナへ侵攻しました。
ウクライナの軍事施設や空港など118カ所の重要な場所をまずミサイル攻撃で破壊し、制空権を抑えて、陸上の戦闘部隊を地上戦で展開するなど、ロシア軍のウクライナ制圧は用意周到なオペレーションに従っており、考え抜かれた攻撃の前にウクライナ軍の防衛戦は苦戦しています。
プーチンの短期決戦の意図は明らかです。
3月4日からパラリンピックが北京で開催されますから、それまでの間に戦闘を終わらせ、首都キエフの陥落まで達成してウクライナのゼレンスキー大統領との話し合いに持ち込みたいということでしょう。
ウクライナ東部のルガンスク州、ドネツク州を完全な自治州とし、ロシアに合併させる目的を持った戦いであれば、戦闘は東部での局部的なものになるでしょう。
しかし首都陥落の流れで現在の戦闘が進んでいますので、ウクライナの政権を親欧米のゼレンスキー政権から親ロシアの政権に入れ替えるという根本的なウクライナ改造を狙っていることは間違いありません。
ウクライナを非武装中立国にしなければ安心できないというのが、プーチンの気持ちです。ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)に加盟し、ロシアを脅かす状態になるのは絶対に阻止しなければならないということです。NATOの東方拡大をプーチンは許しません。
プーチンの強気の戦略は、EU(欧州連合)各国および米国の結束力の弱さ、またそれぞれの国の思惑や抱える事情の違いなどで一枚岩でないことを見透かしていることから生まれています。EUも米国も反撃はできないだろうと、プーチンによって完全に足元を見られているのです。プーチンが一枚も二枚も上手であると言えます。
EUに関して言えば、消費されるEUでの天然ガスの40%、石油の20%をロシアに依存していますから、ロシアに対して強く出ることができません。ウクライナに対して武器などの後方支援はするかもしれませんが、十分なものではありません。
NATO軍が直接ウクライナに入り込んで戦うということもできません。ウクライナは自前でロシアと戦うしかないのです。強国ロシアの前に手も足も出ないというのが実際のところでしょう。
さらに決定的なことは、米国のバイデン政権のだらしなさです。口先だけで何もできないバイデンを、プーチンはせせら笑っているはずです。
ただし、プーチンの足元のロシアで反プーチン、戦争反対の声が巻き起こった場合、これはプーチンにはこたえるはずです。
ウクライナとロシアの間では、夫婦が両国にまたがっているケースが少なくなく、「なぜ戦争をするのだ。やめろ!」という声は必ず上がることでしょう。
一方、北京パラリンピック(3月4日~13日)が終わるやいなや、「今日のウクライナは、明日の台湾」という連動性が、ロシアのウクライナ侵略にはあるということです。世界がロシアのウクライナ侵略を糾弾する中、ロシアをかばっているのが中国です。
根本的に考えれば、米国が世界の紛争を抑える力を失っているというのが最も大きく、トランプのような強権を発動できる米国でなければ、世界に平和を築くことはできないということです。
これが世界の真実であり事実であることに目覚めるべきです。
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