FSコーチング講座 53
「アンカリング」について

ファミリーサポートコーチング講座

　「ファミリーサポート（FS）コーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
　毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。

第53回「アンカリング」について

ナビゲーター：西森 響
監修：阿部 美樹（伝道教育局）

【特定の記憶や感情を引き出す】
　NLP（神経言語プログラミング）のスキルの一つである「アンカリング」を説明します。

　アンカリングは、過去のポジティブな記憶や感情を、船がアンカー（いかり）を下ろすようにつなぎとめておき、いつでも引き出せるようにするテクニックです。

　スポーツ選手が試合や勝負の前に行う動きや習慣、例えば力士が土俵に入る前に顔をたたくこと、イチロー選手が打席に立ち上衣を指でつまみ上げる動作をすること、これらは最高のパフォーマンスを引き出すためのアンカリングです。

　アンカリングは、感情体験が強ければ強いほど、強力なアンカーがかかります。感情体験があまり強くない場合は、繰り返しアンカリングを行うことで体に落とし込んでアンカーを設定することもできます。

【視覚、聴覚、身体感覚】
　アンカリングは視覚アンカー（特定のジェスチャー）、聴覚アンカー（特定の言葉や声のトーン）、身体感覚アンカー（特定の場所に触れる）などを組み合わせて行います。

　アンカリングの動作は、イメージ（感情）と連係した動作です。連係させることができるなら日常の動作であっても構いません。
　大きな動作である必要はなく、「小指をつまむ」などの小さな動作でも構いません。繰り返し行うことによってその動作とイメージとの結び付きをより強くすることができます。

【FSコーチングでのアンカリング】
　FSコーチングでは、コーチングセッションを行ったときに陽陰の感情の統合、特定の相手との関係改善、夢の実現などが成就した感覚を得ることができて、喜びや幸福感に満ちた気持ちを迎えることになります。
　その気持ちをいつでも思い起こして日々の生活を歩む糧にすることを目的として、FSコーチングではアンカリングを用いています。

　コーチが「この気持ちを日々の生活に落とし込むためにどうしますか？」というような質問をします。

　それに応えてクライアントは、
　「朝、起きたら窓を開けて私がピンク色の光に包まれていることをイメージします」
　「仕事をうまく進める必要があるときには左手で右手のげんこつを包むようにし、人間関係をよくする必要があるときには右手で左手のげんこつを包む動作をします」
　「おなかに手を当てて娘が胎中にいたことをイメージします」
　「朝、職場に着いたら空席の同僚の椅子に向かって会釈をします」
　などと、アンカリングを設定します。

　クライアントは、アンカリングを用いることで、セッションで得た感覚をその都度思い起こしてセッションの効果を役立てていくことができます。

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　次回は、「言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーション」についてお伝えします。

【ご案内】
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