2022.01.30 22:00
神の子を生み育てるために 22
神聖さと祈りに満ちた環境を
アプリで読む光言社書籍シリーズ、「神の子を生み育てるために」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
これから妊娠・出産を控えているかたにも、そして子育て真っ最中のかたにもぜひ読んでいただきたいシリーズです!
須永孝子・著
一人では生きられない存在
待ち望んできた赤ちゃんの誕生は、喜びと感動の瞬間です。母親や父親は当然のことですが、周囲の人々にとっても、「どんな赤ちゃんだろうか?」という期待とともに喜びに包まれる時です。
生まれてくる祝福の子女をサタンが狙(ねら)っているので、祈りの基台をつくって、母体の安全と同時に、神の子女として立派に生まれるよう祈ることが大切だと言われます。赤ちゃんはその祈りに守られ、お産のろうそくの火に導かれながら産道を通って生まれてくるのです。
もちろん生まれた後も、神様と真の父母様に感謝の祈りを捧げ、赤ちゃんが大きくなって神のみ旨に貢献できるように祈りを捧げるのです。
新生児は筋肉の発達が十分でないので、自分ではほとんど何もすることができません。目は開いていても明暗を感じる程度で、物をはっきりと見ることはできません。他の動物は生まれてすぐ一人で立ち、動き回り、母親の乳房を求めてしがみつきます。それに比べて人間は、自分一人では生命の維持さえ難しい状態で生まれてくるのです。つまり人間の赤ちゃんは、完全に母親の保護の下にいなければ生きていけない存在だということです。
赤ちゃんが一人で歩いたり食べたり、あるいは自分の気持ちを伝えることができるようになるには約1年かかります。このように弱々しい存在である生後1年までの乳児のことを、イタリアの女性教育者、モンテッソーリは「精神的胎児」と、またスイスの動物学者、ポルトマンは「子宮外胎児」と名付けています。
神様はなぜ人間をこのように“1年早く”生まれさせたのでしょうか? この生後1年間はとても手のかかる期間ですが、赤ちゃんにとっては、母親との関係などで性格的にも大きな影響を受ける非常に重要な期間なのです。
モンテッソーリは、「母の胎内にある子供と同じように、この精神的胎児も、すべてのものが彼を歓迎し、何らの障害物も置かないような、温かい愛情に満ちた、栄養豊かで、生気あふれる外的環境によって保護されなければならない」と言っています。つまり、新生児、乳児といわれる生後1年余りは、母胎にいたときと同じように、神聖さと祈りに満ちた、霊的に豊かな環境が必要であるということです。お産という大きな仕事を終えた母親には、授乳という仕事が3時間ごとにやってきます。入院中はまだゆっくり休養を取りながら授乳できますが、1週間たって退院し、自宅に帰ると、なかなかゆっくり休むことができません。ですから産褥(さんじょく)期間はだれかに手伝ってもらうようにするとよいでしょう。
無理をして自分で何でもやろうとすると、疲れが出て、ノイローゼの原因にもなります。赤ちゃんとの大切な期間を母親がゆとりのある心を持って過ごせるように、周囲の人の理解と協力が必要です。
---
次回は、「親子の絆をつくる重要な期間」をお届けします。