2022.01.28 22:00
【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!
第73回 円滑な会話の秘訣を教えてください
ナビゲーター:阿部美樹
皆さん、こんにちは!
今回は、「会話をしたいのに話が続きません。円滑な会話の秘訣(ひけつ)を教えてください」という質問です。
「家族と話をしたいのに話が続かない」「職場で話が弾まない」「言いたいことをどのように伝えたらよいか分からない」など、会話が円滑にいかないと悩む人は多いものです。
例えば、「私は話をしたいのに、相手は話そうとしてくれない」という場合、恐らく相手はあなたと話をしたくないと思っていることでしょう。なぜかというと、かつて話をしている時に気分が悪かったということがあった可能性が高いからです。
話すことが嫌になるきっかけは、「相手に話を否定された」「相手に人格を否定された」「相手に意見を無視された」など、否定された体験です。
本来、誰もが自分のことを認めてほしい、自分のことを分かってほしいと願っています。それは、人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番関心があるからです。
ですから、人は自分のことを分かってくれる人を好きになり、分かってくれない人は嫌いになる傾向があります。
自分を分かってくれる人との会話は、安心し、もっと話したくなります。自分を分かってくれない人との会話は不安になり、どんなに正しいことや自分にとって必要なことを言われても、受け入れられなくなります。
また、「自分は会話が苦手だ」と思っている人の多くは、自己肯定感が低いという特徴があります。周りの人が何と言おうと、自分は価値ある人間だという自己肯定感は、会話だけでなく全ての行動の自信の源になります。
人間関係や会話の中で失った自己肯定感であれば、人間関係や会話の中で取り戻すことが一番です。
その大切なキーワードは、否定の反対である「全肯定」です。それは、話している相手を決して否定しないこと、自分自身に対しても否定しないことです。
相互全肯定という否定のない空間は、心の安心・安全を守ってくれます。ありのままという自然体の自分らしさを表現できるので、緊張や恐れのないリラックスした状態になります。
否定のない空間づくりのために、心掛けるべきことを三つ紹介します。
第1は、何よりも否定しないことです。
人は無意識に自分の価値観という枠で相手を見て評価しようとします。そうではなく、自分の価値観を挟まず、まずは相手の意見を聞くことです。相手の意見には相手なりに考えがあります。
それを尊重し、決して否定せず受け入れることです。そうすると、相手は自分が受け入れられた安心感を土台にして、自分の良心から冷静に見つめ直し、本当に正しいことなのかに対して自分で気付くようになることでしょう。
第2は、「うなずき」です。
相手の話にうなずきながら聞くことは、話の内容だけでなく、相手自身を肯定的に受け入れるサインになります。
反対に、相手が全くうなずかないのにこちらが話し続けることは、想像以上に不安を感じ、困難なものです。
第3は、「肯定的言葉」です。
会話の中で「へー」「ほー」「えー」「そうなんですか」などの肯定的な感嘆詞を使うことは、会話に弾みをつけてくれます。
また、「分かります」「大変でしたね」「良かったですね」「つらかったですね」など、相手の話に感情を込めて理解する共感の言葉は、寄り添う優しさがあります。それ以外にも、相手の良い点を見いだす「称賛」、相手の話を引き出す「促し」や、「質問」なども有効です。
このように、相手を否定せず、うなずいて、肯定言葉を多く使って否定のない空間づくりを心掛けましょう。
皆さんからの質問をお待ちしています。
「人生相談Q&A」で、ほぼ5分でお答えいたします。
また、お会いしましょう!