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新・熱き祈祷のすすめ 49

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「新・熱き祈祷のすすめ」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。
 祈りの必要性や祈りの種類、実践方法をまとめた祈祷の手引書です。

松本 雄司・著

(光言社・刊『新・熱き祈祷のすすめ』より)

第八章 私が祈祷と取り組んだ理由と恩恵

1 私が祈祷と取り組んだ理由(3)

 そして、ついに祈りの絶頂の時、6月1日。3カ月間の祈祷の目標であったヤンキー・スタジアム大会の当日が来ました。アメリカ時間に合わせて聖日礼拝を祈祷会に変え、食口たちと一緒に最後の全力祈祷をしました。この時、私は深い神の心情に触れることになりました。なぜ、真の父母様が、かくまでして、アメリカに渡ってこのような大会をなさるのかということに対する深い神の事情と心情を教えられたのです。そして、真の父母様が、なさっていることはすべて、2千年前、イエス様がなさろうとしたことであり、この大会も、イエス様がローマ帝国に行ってなさりたかったことを、そのままなさっておられるにすぎないのだということを、理屈としてではなく、実感として知ったのです。「お父様は、イエス様なんだ! ああ神様!」と叫んだ瞬間、私の体を電撃が突き抜け、言葉に言い表せない神様の熱い切ない心情が私を覆い、その場で慟哭(どうこく)しました。

 この神様との出会いは、忘れることができない貴い体験でした。そのこと自体は良かったのですが、ただ、手放しでは喜べませんでした。なぜなら、そのとき私が感じ取ったのは明るい勝利の霊的雰囲気ではなく、なんとも言えない深刻な霊的波動でした。「おかしい……、果たして、大会は成功できたのか……?」私は気が気ではありませんでした。1日が過ぎて、やっとアメリカの様子が伝わってきました。果たして、この日の大会は、テロリストが文先生の命をねらいFBIがそれを阻止しようとセキュリティーを配置するという緊迫した状況で、さらに、開会直前まで雨と突風が吹き荒れるという嵐の試練の中で、神とサタンのすさまじい奪い合いの末に、真の父母様の絶対不動の信仰によって、かろうじて乗り越えた勝利であったことが分かりました。

 この大会が終わった時点での私の祈祷は、多くの点で格段の進歩が得られたものの、まだ本心から納得のできる世界には至っていませんでした。そんな心境でいたとき、真の父母様が、さらに驚くべき摂理を発表されたのです。「マディソン・スクェア・ガーデン大会は蘇生(そせい)期、ヤンキー・スタジアム大会は長成期である。完成期としての50万人大会を9月18日にワシントン・モニュメント広場で実施する」と宣言されたのです。私は驚きました。あまりに巨大な目標であったし、もう、わずかな時間しかありません。しかし、次の瞬間、「そうか、よし、今度はこの大会に向けて、真剣に祈祷に取り組もう。その中でさらに祈祷の世界を磨いていこう」と思ったのです。

 それから、9月18日まで、また同じように毎日、早朝の祈祷会を計画し、10人余りの兄弟姉妹たちを伴って取り組んでいきました。この後半の祈りの闘いの中で、新たに、E・M・バウンズ師の著書『祈りによる力』『祈りの目的』との出会い、P・T・フォーサイス師の著書『祈りの精神』との出会いがありました。

 文先生のみ言とイエス様のみ言、佐藤牧師をはじめとする先人たちの言葉、そして、一緒に祈祷の座を共にしてくれた兄弟たち、このような「祈祷の戦友」たちに助けられながら全身全霊で祈祷に打ち込んでいった時、霧が晴れていくようにより深い祈祷の世界が開けてきました。祈り始めたときの重圧感を乗り越えて、神様の臨在を感じ取った時の、なんとも言い難い喜びと甘美な味わいも知ることができるようになっていました。

 ワシントン大会の当日を迎え、兄弟たちと一緒に、最後の全力祈祷をしました。このときは、ヤンキー・スタジアム大会の時とは違って、明るい霊的波動を感じ取り、「ああ、大会は成功したな」と感じました。そのごとく、ワシントン・モニュメント広場には、アメリカ建国200年祭を祝賀するために、全米から集まったバスが長蛇の列を成し、数10万人の人々が、文先生のメッセージに耳を傾けたのでした。わずか40日間という短い準備時間と、少人数の力で、このような大会が成功したのは、正に奇跡であり、アメリカ史上かつてないことでした。

 このような取り組みから、私が感じてきた祈りの世界を、少しずつ兄弟姉妹に伝えながら、その後、神奈川、北海道と任地が変わっても祈祷の場はもっていきました。

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 次回は、「祈祷によって与えられた恩恵(1)」をお届けします。


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