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第1回 烏骨鶏スープ(参鶏湯)

(光言社『祝福家庭』29号[2003年 夏季号]「天正宮の御献立」より)

アドバイザー:萩野学(掲載当時、真の父母様のお食事を担当)

 『祝福家庭』で連載した「天正宮の御献立」を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 真の父母様が好まれた食事を、各家庭でも味わってみてください。
 本シリーズでご紹介する料理は、2003年2月6日に真のお母様還暦記念集として発刊された『天正宮の御献立』に掲載されているものです。本書には、真の父母様が好まれた、韓国、中国、日本、西洋の代表的な料理の調理法が、写真と共に収録されています。(一部、編集部が加筆・修正)


烏骨鶏スープ(参鶏湯)

萩野学さんからのアドバイス!

 韓国では、極暑の期間に参鶏湯(サンゲタン)を食べて、夏バテを乗り越える風習があります。

 参鶏湯は、栄養的にも良質のたんぱく質が豊富で、病気の回復や疲れた体にやさしい滋養たっぷりの食べ物です。

 参鶏湯は普通、一羽丸ごと出しますが、真のご父母様にお出しする場合は、お父様には、大きな器に米や裂いた肉、そして、お父様は手で持って召し上がるのがお好きなので足をそのまま入れて、お母様には、食べやすいように肉を全部一口大に裂いて、器にきれいに盛りつけ、スープを張ってお出しします。

 『天正宮の御献立』にあるような烏骨鶏(うこっけい)は、食口(シック)の方から献上品があった時などにお作りします。普段は、地鶏の雛鳥(ひなどり)を使います。

 日本で作る場合には、烏骨鶏が手に入った場合はもちろん使えばよいですが、高価で手に入りにくいので、鶏の雛鳥や普通の鶏で作って、みなで分けて食べればよいと思います。

 高麗人参は、もし乾燥品があれば水に戻して使い、それもなければ、もち米に高麗人参エキスを(一人分、添付の匙〈さじ〉2分の1程度。あくまでも代用)混ぜて、おなかに詰めてください。それもない場合は、高麗人参を入れない「白熱(ペㇰスㇰ)」という料理になります。

 昔、お父様が清平(チョンピョン)に行かれた時は、大きな地鶏を白熟にしてお出ししていたので、今でも時々思い出されては、鶏が食べたいと言われ、作ってお出しすることもあります。白熱は、特に大きい鶏を用い、高麗人参やなつめ、栗、銀杏(ぎんなん)は、入りません。

 乾燥なつめは、なければ省いてください。なつめエキスは使わないほうがいいでしょう。生の栗や銀杏が手に入らなければ、缶詰や瓶詰を利用し、一度湯で煮こぼしてから使ってください。

 残ったスープに米を入れて粥(かゆ)を炊き、仕上げにニラやごま油を入れたり、参鶏湯の具材を入れて粥を作ることもあります。韓国風にこだわらず、各家庭でアレンジしてもよいでしょう。

 皆さんも、食欲のない時や元気のない時に、参鶏湯を食べて、スタミナをつけて頑張ってください!


【材料(4人分)】

◯烏骨鶏(600グラム程度のもの) 4羽

A
■もち米 2カップ、
■ニンニク 4かけ
■乾燥なつめ 4個
■生の高麗人参 2本(なければ、乾燥したものを水に戻して使う)
■銀杏 8個
■栗 4個

◯水 15カップ

B
■昆布 10グラム
■干し椎茸 2枚
■ネギ 1本
■ショウガ 1かけ

◯塩、コショウ 少々


【作り方】

烏骨鶏は尻尾(しっぽ)を切り取り、内臓を取り除き、手羽先と尻尾部分の脂肪も切り取って、全体を洗っておく。

もち米は洗ってから2時間ほど水に浸け、その後ザルに上げて水気を取る。なつめは洗って種を取り出し、高麗人参は洗っておく。栗は皮をむき、銀杏は炒(い)った後、皮をむいておく。

鶏の腹の中にAの材料を4等分して詰める。足を交差させた後、尻尾側の皮に切り込みを入れ、上側の脚の先端部分に引っかけて固定する(皮と皮を合わせてつま楊枝で縫うように止めたり、たこ糸で巻いてもよいが、慣れれば上記のやり方が速くて簡単)。


大きめの鍋に鶏4羽を入れて、水を注いで煮る。一度沸騰したら、Bを入れる。中火で1時間以上煮込みながらアクを取り除く(鶏の雛鳥なら1~1時間半、大きめの鶏なら2~2時間半程度。圧力鍋を使えば、約半分の時間でよいが、その場合も、もち米は必ず一度水に浸けたものを使う)。煮詰まってスープが少なくなれば、水を足す。浮いてくる油やアクはこまめに取り除く。


骨と肉がすっと外れるくらいに柔らかくなれば、塩、コショウで味付けをする。

大きな器に一羽ずつ盛り、細かく刻んだネギをのせて、小皿に塩とコショウを混ぜたものを添える。

 烏骨鶏は神経痛、産後のむくみ、子宮出血、帯下症などに効果があるといわれます。

 身と骨が黒い鶏が特によく、舌が黒ければ身も骨も黒いです。

 飼料で育てた鶏より、放し飼いにして育てた鶏の方が効果がよいです。

 煮る時は鶏全体が浸かるまで水を入れ、弱火で骨がやわらかくなるまで煮るとよいです。

画像引用元:『天正宮의水刺床 饌品單子~天正宮の御献立』(光言社刊/2003年)より