https://www.kogensha.jp

神の子を生み育てるために 16
「知能の土台」「心のもと」づくり

 アプリで読む光言社書籍シリーズ、「神の子を生み育てるために」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 これから妊娠・出産を控えているかたにも、そして子育て真っ最中のかたにもぜひ読んでいただきたいシリーズです!

須永孝子・著

(光言社・刊『神の子を生み育てるために』より)

「知能の土台」「心のもと」づくり

母親の安定が脳の発達を促す
 胎児の成長は目覚ましく、実に生き生きと急速に成長していきます。妊娠23か月の時期はいろいろな器官のもとが出来る、非常に重要な時です。

 この時期に脳も出来始めます。人間の脳細胞はおよそ140億とも150億ともいわれますが、それが全部、出産前に形成されます。生まれてから数が増えたり、失った細胞を再生するということはありません。十月十日の間に1つの細胞から150億の細胞がつくられます。1日に平均50006000万個つくられるということになり、妊娠中が胎児にとっていかに大事な時期であるかが分かります。

 脳の重さは、出産直後は400グラムくらいだったのが、1歳ごろには800グラム、そして成人になるころには12001400グラムほどになって完成します。

 脳は神経細胞だけでは十分な働きをしません。神経細胞同士がさまざまな刺激を通して互いに関連し合い、情報を伝え合う回路、連絡網が必要です。1個の神経細胞に1万個の接点があると言われています。接点が多いほど脳のネットワークが複雑になり、多くの情報を処理することができ、さらに神経繊維をさやのようなものでかぶせる作業が行われると情報伝達の速さが100倍になるといいます。このようなネットワークづくりは生涯続きます。いろいろな環境からバランスの良い刺激を受けながら脳を成熟させることにより、人間らしくなっていくのです。

 脳細胞の一つ一つには、既に決まった形質が両親から受け継いだものとしてあり、また設計図が入っています。細胞一つ一つは宇宙意識として記憶され、埋め込まれている情報を変えることはできませんが、その中に無限の可能性が秘められているのです。その無限の可能性を生かすためには、脳を刺激して神経細胞の一つ一つを生かしていかなければなりません。学べば学ぶほど発達するのが脳です。

 胎児のうちは将来、言葉を話し、聞き、その意味を理解する、考えるという知的活動のもととなる「知能の土台づくり」が行われます。アルコール、タバコなどの有害物質や、母親のストレスは、胎児の脳の成長を阻害し、将来の知的能力を左右します。

 「知能の土台」とは、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を感じたまま認識する能力のことです。五感は脳の中の大脳辺縁系と大脳皮質で感じます。大脳辺縁系は妊娠14週ごろ形づくられ、このころに「心のもと」である快・不快を感じる大脳皮質も形づくられます。

 妊娠35か月は脳にとって重要な時期で、「知能の土台」「心のもと」をつくっていく大脳辺縁系や大脳皮質のネットワーク化が始まる時期です。おなかの赤ちゃんは寝ているときと起きているときの区別がはっきりしないのですが、うつらうつらしている浅い眠りのときに大脳辺縁系は発育します。お母さんが精神的に安定しているとき、このうつらうつらの状態になりやすいと言われています。騒音や子宮を圧迫することは、赤ちゃんの眠りを妨げるものです。静かな環境においてゆっくり眠らせてあげたいものです。

---

 次回は、「正しい生活、楽しい気分」をお届けします。