https://www.kogensha.jp

青年よ行け、そして世界を救え
21世紀の青年運動への提言(4)

 36家庭の朴普熙(パク・ポーヒ) 先生(1930~2019)による講演「青年よ行け、そして世界を救え」を毎週月曜日配信(予定)でお届けします。
 朴普熙先生は1957年入教後、1961年に駐米韓国大使館の陸軍武官補佐官として米国に赴任。1972年以降、38年間にわたり文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁の特別補佐官を務め、「ワシントン・タイムズ」社の初代社長をはじめ統一運動の重職を歴任されました。
 同講演は朴普熙先生を知る世代のかたはもちろん、二世・三世の若い世代の皆さんにもぜひ読んでいただきたいメッセージです。

(光言社・刊『青年よ行け、そして世界を救え』より)

一、神の実在の問題

宇宙に意志が存在する

 ここで、この宇宙は始め無限なるエネルギーから成り立ったといわれるのでございます。
 それでは、エネルギーが宇宙のすべての物質の基本材料であったならば、どうしてこの同じエネルギーが、様々な物に変形したのでしょうか? 何が、この複雑極まりない森羅万象と人間を編み出したのでしょうか?

 偶然でしょうか? 科学の世界に偶然はあり得ません。科学の基本は、「因果の法則」です。原因のない結果はあり得ません。
 同じにこねた小麦粉も、調理師の意志によって、ある物はうどんになり、ある物は蒸しパンになるのではありませんか? だから、この宇宙には必ず調理師のような意志が働いていることを考えざるを得ません。

 この会場にあるすべての物は、目に見えない意志と目的が先にあってこそ、このような様々な目的を果たす物になったのであります。
 この一つのコップも「水を飲む器」としての、目に見えない目的と意志が先行して作られたのであります。

 宇宙も同じことがいえます。科学的推理によって、この宇宙の裏にはある意志と目的が存在すると考えざるを得ません。それが科学でいう宇宙の第一原因でございます。この第一原因たるものの実在を、今日の科学は否定できなくなったのでございます。日本にもこのような本が出版されております。『宇宙には意志がある』、もちろん物理学者の本でございます。

 皆様がよく知っている相対性原理の始祖ともいえるアインシュタイン博士は、その末期に、すべての研究を終えて、こう語りました。

 「私は神の創造を知りたい。私は神の意志を知りたい。それ以外の問題はすべて、付随的である」と。

 アインシュタイン博士のような有名な科学者が、結論において、神の創造を語り、神様の意志を語りました。もし、現代の科学が神の敵であるならば、彼こそ無神論者になったはずでございます。

▲アルバート・アインシュタイン(1879~1955)

宇宙の心:科学では第一原因、宗教では神様

 もし、この宇宙に偉大なる絶対意志があるとするならば、それはこの宇宙に絶対なる「心」が存在することになるのでございます。
 なぜでしょうか? 意志は心の一部なのでございます。意志は絶対に独自には存在しません。
 心とは、意志のほかに、知恵と感情から成り立ちます。

 この三者、すなわち、意志、知恵、そして感情があってこそ、心となるのです。これは分けることはできません。

▲心の3要素とその機能

 ここで私たちはこの宇宙に絶対なる心があり、これを科学では第一原因といいますが、宗教ではこれが神様であるということが分かったのであります。
 神は、意志、知恵、そして感情をもつ神様であり、宇宙の人格であるということが重大であります。神様はただ巨大な機械的存在ではありません。

 その神の人格の中心は、感情、すなわち心情でございます。神は心情をもつがゆえに、喜びと悲しみを知り得るのです。そして、神の心情とは、喜びを求める心であります。だれが悲しみを願いましょうか? 神様も同じです。それで、神の創造の動機は心情であり、その目的は神の喜びを実現せんがためであったこと。そして、その喜びを味わいたい心情に適うがために、その全知なる知恵が働いて、その創造の方法を定め、その全能なる意志が働いて、創造が実現したということは、余りにも整然としてくるのでございます。

 神の創造の目的は喜びでありました。神はその喜び、歓喜を味わうために、この宇宙を、そして私たち人間を創造されたのでございます。

---

 次回は、「神の創造の目的は”喜び”」をお届けします。