2021.08.07 17:00
『祝福家庭』88号(2018年 春季号)
「幼児教育」
〜正直に生きるって素晴らしい!〜
光の子園 副園長・村上小夜子
自分のことを素直に話すBちゃん
二人の園児(AくんとBちゃん)が取っ組み合いのけんかをしました。
二人が将棋を指していたとき、Aくんがルールを守らなかったことで、Bちゃんが腹を立ててAくんを叩(たた)きました。
するとAくんも怒って、将棋盤をBちゃんのおなかにぶつけたので、あっという間に取っ組み合いになったのです。
Bちゃんが、部屋を飛び出したAくんを追い掛けて叩こうとしたので、私が止めに入りました。
Bちゃんに話を聞くと、先に叩いたことを素直に認めました。ところがAくんは、けんかの原因を「忘れた」と、とぼけたのです。
Bちゃんは「うそつき! さっきあったことなのに、どうして『忘れた』と言うの!」と声を上げました。自分は正直に話したのに、Aくんが正直に話してくれなかったことが、許せなかったのです。
私がBちゃんに「人を叩くのは良くないけれど、自分のしたことを正直に話すことは大切だよね。あなたは正直に話して偉いね」と言うと、怒りは少し収まったようでした。
Bちゃんは「さっきはごめんね」と、Aくんに謝りました。Aくんはとても驚き、バツの悪そうな顔をしていました。
さらにBちゃんは、そのようなAくんに「一緒に遊ぼう」と声を掛けたのです。
親の祈りで子どもの成長をサポート
また、(私がBちゃんに)「どうしてお友達を叩くの?」と尋ねると、「あのね、私も分からないの」と言うので、「叩いたときは良い気持ち? それとも嫌な気持ち?」と聞くと、「嫌な気持ち」と答えます。私が「そうか、嫌な気持ちなのね」と共感すると、ウンとうなずきました。
そこでBちゃんに「自分でどうしようもない時は、お母さんにお祈りしてもらおうか」と提案すると、Bちゃんはとても喜びました。
祝福子女は、親から祈ってもらうことが大好きなのです。
Bちゃんのお母さんはこの話を真摯(しんし)に受け止め、「私の精誠だけでは足りないと思うので、(一世の)おじいさんとおばあさんにも祈ってもらいます」と言ってくれました。
血気・怒気を自制することは、幼児にはまだ難しいです。
しかし、親が息子や娘の気持ちを酌み取り、祈ってあげることでだんだんと収まるようになります。
良いことも悪いことも受け止める
祝福子女だから、「うそをつかない」「いたずらをしない」ということは決してありません。これまで関わってきたどの園児にも悪い点は見られました。
それでも園児たちは「こんなぼく(わたし)だけど、文句ある?」とでもいうように、真正面から私たちに愛を求めてきました。
「このままのぼくを愛し、認めてください」と迫ってきたのです。
園では、園児たちが正直に表現したことを、それが良いことでも悪いことでも、大人たちが全て受け止める環境をつくってきました。
そうして園児が5歳から6歳の誕生日を迎える頃には、問題が生じたことに対して、「ぼくのせいだよね」と、園児が自らの非を認められるようになるのです。
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