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愛と人生の道しるべ 21

 もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
 「愛と人生の道しるべ」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

酒井 正樹・著

(光言社・刊『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』より)

6章 結婚、それは別の人格を認めること

結婚生活は人を愛する最高の訓練
 結婚というものを人間理解という観点から見るならば、自分と全く別の人格を認めることができるようになることだと思います。

 「自分だったらこうするのに、とても理解できない」と、何度も衝突を繰り返します。お互いに口もききたくないという状態がしばらく続き、やがてどちらからともなく和解する。これを半年、一年と繰り返すうちに、お互いの性格や癖がだんだん分かるようになり、夫婦らしくなっていくのです。

 いやな友人や上司とはあまり付き合わないようにすることもできますが、結婚した相手とはそうはいきません。お互いの平和と幸福のために、じっと耐えることも必要です。人を愛することは、こんなに大変だったのかと思い知らされます。結婚前の恋愛感情は、こうあってほしいという自分の願望、つまり理想の女性像を夢見ていたのであり、現実の相手を愛していたのではなかったということがよく分かります。

 結婚生活の中で、私は妻を通じて、女性というものが少しずつ理解できるようになり、自分自身の人間理解の幅が広くなったと思っています。

 結婚当初、妻は私の欠点を実によく見抜いて、そのことを時々鋭く指摘してきました。自分でもそうではないかと思っていただけにショックであり、自分の欠点を改めて認識せざるを得ませんでした。

 これはお互いに言えることであり、その言い方とタイミングが問題ですが、夫婦という関係は人間として成長するための重要な関係なのです。

 心理学者のE・フロムは、「もし私が、真に一人の人を愛するならば、私はすべての人を愛し、世界の人を愛し、生命を愛することになる」と述べていますが、結婚生活はまさに人を愛せるようになるための、最高の訓練と言えるでしょう。

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 次回(8月12日)は、「努力なくして愛情は芽生えない」をお届けします。


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