青少年事情と教育を考える 164
7月は青少年の非行と被害防止月間

ナビゲーター:中田 孝誠

 7月は政府が定めた「青少年の非行・被害防止全国強調月間」です。
 夏休みに入る前、青少年の非行と被害の防止、そして健全育成を強く意識しようというわけです。

 この中で、今年度の最重点課題となっているのは「ペアレンタルコントロール等によるインターネット利用に係る子供の犯罪被害等の防止」です。

 子供たちにスマートフォン利用が浸透し、SNSによる犯罪被害が増えていることに対して、フィルタリングの利用促進や親子のルール作り、コンテンツや利用時間を管理するペアレンンタルコントロール機能の積極的な活用を啓発するよう呼び掛けています。
 また、子供の性被害の防止や被害を受けた児童の保護・支援に取り組むとしています。

 この他、重点課題としては、「有害環境への適切な対応(JKビジネス、有害図書・ソフト、インターネットカフェ、カラオケボックス等)」「薬物乱用対策の推進(学校における薬物乱用防止教育の充実、家庭や地域、関係機関が一体となった指導の充実等)」「不良行為及び初発型非行(犯罪)等の防止」「再非行(犯罪)の防止」「いじめ・暴力行為等の問題行動への対応」を呼び掛けています。

 ちなみに、前年の令和2年度の最重要課題は「SNS利用に係る子供の性被害等の防止」でした。重点課題は2年度、元年度も同様の課題が挙げられています。
 言い換えれば、ここに挙がっている課題が、現在の子供たちの育成環境を整える上での重要な改善点だということでしょう。

 政府は、青少年の健全育成について国民の理解を深め、国民全体に向けた意識啓発や民間・地域住民の主体的取り組みを促進して、国民運動の一層の充実と定着を図るとしています。
 子供たち、青少年の育つ環境がより良いものとなるよう、私たちも意識を強く持っていく必要があります。