ファミリーサポートコーチング講座

 「ファミリーサポート(FS)コーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
 毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。

第22回「アソシエーション」と「ディソシエーション」について

ナビゲーター:西森 響
監修:阿部 美樹(伝道教育局)

 今回は、「アソシエーション」と「ディソシエーション」についてお伝えします。

【二つの心の状態】
 アソシエーション(association)とは、自分の心の中に集中し、臨場感の溢れるイメージを抱き、感情を味わっている心の状態のことです。いわば感情を込めた主観的な状態のことです。
 これに対して、ディソシエーション(dissociation)とは、冷静に自分を観察している心の状態のことです。いわば冷静で客観的な状態のことです。

【会議の場での意見交換】
 普段は仲良くグループ全体の目的を中心として活動する4人であっても、良くしたいと思う気持ちが高まった結果、白熱の議論になることがあります。

 Aさん、Bさん、Cさんがそれぞれ自分の意見を主張しました。
 そこでDさんが「皆さん、十分に意見を言い尽くしましたね。私が見るところ、今日この場で結論を出すのは無理だと思います。どうでしょう、1週間後の今日、また会議を開いて結論を出しませんか?」と提案します。

 Aさん、Bさん、Cさんは、その提案に同意して、1週間よく考え、他の人の意見もよく反すうして再度会議に臨みます。

 1週間後の会議では、互いの意見を尊重し合って、グループ全体の利益に合致した結論をみんなで決めることができました。

 このとき、Aさん、Bさん、Cさんの心の状態を三つに分けて考えることができます。
 最初の会議の場では、アソシエーションの状態、次の会議を開くまでの1週間はディソシエーションの状態、1週間後の会議は、アソシエーションとディソシエーションとのバランスが取れた状態です。

【両者のバランス】
 アソシエーションの状態では、心のエネルギーは高いです。
 陽の感情の場合、心にエネルギーが満ち溢れ、喜び・感謝の気持ちや幸福感が体全体を巡っていきます。好きなことに酔いしれています。アソシエーションは、推進力や行動力の源泉を意味し、人間にとって必要です。

 陰の感情である怒り・恨み・自責の念・精神的落ち込みなどのアソシエーションの場合、エネルギーとしては高いのですが、人によっては「恨みを晴らしてやるんだ。今に見ていなさい。自分をばかにした人たちを見返してやるんだ」という気持ちを原動力にして、ガンガンに頑張っている場合があります。

 確かに、このような陰の感情のエネルギーはパワフルで、そのエネルギーの強烈さの故に、大きな仕事が可能となることもあります。しかし陰の感情のままだと、いつかトラブルが起こり、急にしぼんでしまうのが世の常です。その結果、幸福感を得ることができません。
 従って両者のバランスが必要になってきます。

【ディソシエーションのみだと…】
 一方、ディソシエーションのみであれば、冷静な分析ばかりがなされ、実際の行動には結び付いていきません。
 アソシエーションとディソシエーションの両方を活用することによって、幸福で充実した人生を送ることができるようになっていきます。

 FSコーチングにおいては、コーチがクライアントに対するときに、クライアントの本然の状態を見てアソシエートします。
 クライアントの本然の状態に至らない現状を見るに当たっては、ディソシエートする立場を取りつつ、寄り添っていきます。それによりクライアントも両者のバランスの取れた状態に至ることがたやすくなると期待できます。

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 次回は、FSコーチングのセッションを受けた20代男性の感想をお届けします。

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