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愛と人生の道しるべ 14

 もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
 「愛と人生の道しるべ」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。

酒井 正樹・著

(光言社・刊『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』より)

4章 愛と性の神秘

愛と性が分離する男性、一体の女性
 性をどう見つめたらいいのか。これは人間としてどう生きるか、と同じ意味の、最も本質的な問題です。

 性教育とは生物学の教育ではなく、夫婦論の中心となる人間教育の骨格でなければなりません。そこでまず、男性と女性の性の違いについて考えてみたいと思います。

 一般的に男性は、中学から高校の頃にかけて性欲が非常に強くなり、女性の体に興味を持ち、性体験に憧れるようになります。既に性体験のある友人は「大人」であり「英雄」であり、自分も早く性体験をして大人の仲間入りをしたいと思ったりします。女性の体を思い浮かべては淫らな空想にふけり、性欲で頭が一杯になります。

 性欲は16歳の頃が一番強く、それに見合った頭脳の発達はさらに10年かかると言われています。つまり理性と愛情で性欲をある程度コントロールできるようになるのは、20代の後半になってからなのです。

 特定の女性を意識するようになると、相手を美化し理想化して考えるようになりますから、その清らかな相手に、自分の本能的な性欲を向けるのは罪悪に感じられ、極力、自分も清らかな思いを持とうと考えるようになります。

 もちろん個人差がありますから、性欲は売春を目的とする所で処理すればいいと、割り切った考えを持つ男性もそれなりの割合で存在します。

 いずれにせよ、男性は愛情と性欲がバラバラの存在であることを、若い女性はよくよく知っておく必要があります。

 これに対して女性は、愛情と性欲が一つであり、愛する人以外とは性関係を結びたくないと思うようになっています。

 女性が男性と大きく違う点は、肉体関係を持つことはそのまま妊娠や出産につながるということです。そのため慎重にならざるを得ないのです。

 「お互いに好きで肉体関係を結んだのだから、人からとやかく言われる筋合いはない」と言う男性もいますが、性欲を満たすことばかり考えているような男性は、妊娠や新しい生命が誕生することについて、全く考えていないのです。

 予期せぬ妊娠となったとき、そのような男性は苦々しく思い、舌打ちし、中絶を迫ります。これこそ、目的は女性の肉体にしかなく、真実に愛していないことの何よりの証拠です。

 女性は、男性が肉体を求めてくるのは愛しているからと考えるのですが、こういう男性からすれば、愛とは関係なく自分の性欲を満たすために、相手になってくれる女性を求めている場合が多いのです。

 性は本来、人間に与えられた最も貴いものです。その性をみじめなものにしないよう、特に若い女性には賢い知恵が必要とされています。

 私が結婚して分かったことの一つに、それまで性について考えていたことが、実際はずいぶん違うものだったということがあります。それは、多分、未婚の男性のほとんどが誤解していることではないかと思います。「性体験をすれば素晴らしい快楽が得られるのではないか」という認識です。

 毎日のようにテレビや映画、週刊誌などで性交渉のシーンを見せられると、性関係を結べば、それだけで陶酔感に浸ることができるのではないかと思い込むのも無理からぬことです。しかし、実際はそんなものではありません。

 それらの性描写には多くの誇張と嘘(うそ)が含まれています。私の妻は「女性が映画を作るなら、絶対にあんな描写にはならない。男性が女性に対する自分の願望を持って映画を作るから、ああなるのよ」と憤慨しています。性産業は太古から性の快楽を強調し、多くの男性を惑わしては暴利を貪ってきたのです。

 ポルノ雑誌の出版社が大きなビルを建て、売れているビデオの多くがポルノであるというのも、人間社会の悲しい現実です。

 聖書には、エデンの園でエバは蛇に誘惑され、禁断の木の実を取って食べることによって堕落したと書かれています。禁断の木の実は、「食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましい」とエバの目には見えたのですが、この禁断の実は、実はエバの愛、性を象徴していたのです。現代の若者にも性は全く同じように見えているのではないでしょうか。

 肉体的だけでなく精神的にも大人になり、相手を思いやるという愛が心の中に宿るようになって夫婦となれば、性は禁断の木の実ではなく、お互いの愛を深め、子孫を繁栄させるための祝福の木の実となります。

 しかし時期がまだ来ていないのに、快楽だけを求めると、それを得られないだけでなく、苦痛と苦い後悔を味わわなければならなくなってしまうのです。

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 次回(6月24日)は、「肉体的な刺激だけでは本当の喜びはない」をお届けします。


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