2021.05.27 22:00
愛と人生の道しるべ 11
もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
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酒井 正樹・著
第3章 結婚の難しさ
結婚の条件とは
女性の社会進出により、若者の結婚適齢期が高くなってきました。社会人として働くほうが面白いですし、やりがいもあります。結婚適齢期の男女の出会いそのものも多くはありません。そして人を見る目が肥えてきて、相手の人格を知る前に、まず相手の調査を始めます。
女性からすれば、学歴や収入やルックスに身長、社会人としての将来性が注目点ですが、同世代の男性は、まず仕事を覚え、社会人として一人前になることが最大の課題であり、残業も多く、給料も少なくて、結婚はとても考えられません。20代後半になり、仕事も覚えて会社の戦力になると、今度はその責任と忙しさで、女性と付き合う時間がほとんどありません。
かつて、女性が男性に求める条件として高学歴、高収入、高身長を合わせて3Kと言われましたが、今も同じでしょう。しかし、これらは結婚生活や人生の幸福を保証するものなのでしょうか。
もちろんある程度そろっているほうがいいわけですが、現代社会は安定した発展状態ではなく、経済のグローバル化に伴い、不安定でどうなるか分からない段階に入っています。大企業でも大規模な人員削減の可能性はあり、一生同じ会社で働けるかどうかは分かりません。
高学歴かどうかよりも、不安定な社会の中で適格な状況判断ができ、責任を持って主体的に行動できる能力があるかどうかが問われています。有名大学卒だからそれができるというものでもなく、高校卒だからそれができないというものでもありません。不安定な、先の見えない社会だからこそ活躍する人もいます。どんな環境の中でも、こつこつと努力する人が何かを成し遂げる人です。そういう人を見抜く力を身につけたいものです。
20代から30代初めは、まだまだ社会人スタート段階なのですから、そこで相手に完璧な姿を求めるのではなく、相手の可能性を信じて支え、二人で新しい自分たちをつくりあげていくのが結婚ではないでしょうか。
「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助は、最初から成功した企業家ではありませんでした。小さな工場に働く電気技術者でしたが、松下幸之助に嫁いだ、むめのさんは条件の良いお金持ちのお見合い話を断って、あえてお金がなく、苦労すると思われた松下幸之助を選びました。それは、「彼となら一緒に何かをつくりあげていくことができる」と思ったからでした。
結婚したむめのさんは、松下幸之助を支え、彼の夢を実現するために会社の創立を手伝い、従業員に礼儀作法を教え、家族のように愛して、松下電器の陰の創業者となったのです。
「この人となら一緒に人生を歩いていくことができる。二人の夢を実現することができる」、「この人のために尽くしたい。この人を支えたい。この人を幸せにしてあげたい」、「二人に神様の願いがあるのではないか。それを二人で探していこう」。そういう気持ちがあるかどうかが、結婚の条件ではないでしょうか。
ちなみにハンサムな男性と結婚した人は、夫が女性の誘惑が多くて浮気する心配があります。会社の社長はハンサムでなかったとしても、様々なことに積極的で、魅力的ないい顔をしています。有名大学卒とは限りません。
弱くて頼りないと思われていた男性も、仕事を任される30代後半から人間として立派になり、大きく伸びてきます。「頼りない」と見下していると、後で恥をかくことになります。男性は変わります。
また、小さい頃から「きれいだね」と言われてきた女性は、人への愛情が豊かではないことがあります。きれいな女性、かわいい女性も変わります。年を取るとともに、普通の女性になってしまうのです。見かけに魅(ひ)かれていた男性はがっかりしてしまいます。ですから、女性は20代後半から、内面の魅力や人格を磨くことに本気で取り組まないと、男性が浮気する原因をつくることになってしまいます。毎日の笑顔や挨拶、気配りや料理の腕前、お金の使い方、部屋の掃除、夫婦の性生活までのすべてで日々進歩し、相手から喜ばれる人生の伴侶となりたいものです。
よくできた男性には、必ず立派な妻がいます。そして問題の多い男性には、必ず問題の多い妻がいるものです。
大好きで結婚したから、自動的に仲の良い夫婦になれるのではありません。毎日のお互いの努力が大切です。家庭の中で、「夫婦」という木を育てるようなもので、愛情をかけ、語り合い、努力し、相手を理解し、支え合っていくことで大きく育っていくようになります。
二人に子供が生まれて妻の意識が子供に集中するときや、夫が会社の重要な仕事を任されて家庭に意識が持てなくなったときなどは、お互いに、さらに努力して向き合っていく必要があります。
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次回(6月3日)は、「男性と女性では結婚の動機が違う」をお届けします。