ファミリーサポートコーチング講座

 「ファミリーサポートコーチング講座」は、文字どおり、より良い家族関係や人間関係を実現するために読者の皆さまをサポートするコーチング講座です。
 毎週月曜日配信予定です。皆さまの家庭生活、信仰生活、社会生活にぜひお役立てください。

第14回 承認と善悪分立

ナビゲーター:西森 響
監修:阿部 美樹(伝道教育局)

 前回の記事では「承認」を扱いました。今回は「承認」と「善悪分立」の関係について考えてみます。

【悔い改めの難しさ】
 悪を分立する時に「その心は悪なる心だから悔い改めなさい」と言って素直に悔い改め、悪を分立することが可能な場合は、そういう方法が良いと思います。

 しかし人間は「その心は悪なる心だから悔い改めなさい」という言い方をされると、なかなか素直に自分の悪なる心を認められなくなるものです。

 悔い改めがうまくできるためには、第一に自分の悪なる心の存在を認めること、第二にそれを善なる心に変容させる必要性を認めること、第三にその変容を成し遂げること、という三つのプロセスが必要です。

 この三つのうちのどれかにつまずくとうまくいかないことになります。

【承認は悪なる面も受け入れる】
 ここで、善悪分立とコーチングについて考えてみましょう。

 「承認」というのは、全てを受け入れるということです。
 FSコーチングでは、天の父母様がありのままの息子・娘を受け入れるといった意味で「承認」という言葉を使います。ありのままの息子・娘というのは、善なる面もあれば悪なる面もあるわけです。

 そうすると善なる面を受け入れるのはよいが、悪なる面も受け入れてよいのかという疑問が生じます。
 ただしここでいう承認、すなわち受け入れるというのは、悪なる面を持っていてもいいという許可をするわけではありません。

【クライアントの自発的な気付き】
 クライアントが、善なる面も悪なる面も全人格的に承認されると、次のような心になってきます。

 クライアントは、悪なる心を持っていることに対しては、良心の呵責(かしゃく)を感じます。自分で自分の悪なる面に気付き、自分で悔い改めるようになってきます。

 「このような悪なる心を持ってしまっている私を承認し、信じてくださる。本当にこのような悪なる心を持ってしまっている自分は申し訳ない。何とかして悪を除いていきたい」という心になってきます。

 そして、善なる心に関しては、「認められた、うれしい」という気持ちになり、喜びと感謝の気持ちが湧き上がってきます。
 このようにして、善悪を分立することができます。

 クライアントが自発的な気付きを得ることによって変容することが容易になります。

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 次回は、FSコーチングを受けた60代男性の感想をお届けします。