2021.04.29 17:00
歴史と世界の中の日本人
第40回
外国人が見た江戸・明治期の日本人(後編)
もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
「歴史と世界の中の日本人」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
前編では、江戸・明治期に来日した欧米人たちが日本人の自然観や礼節をどう見ていたかについて紹介した。
後編では、日本人の勤勉さや正義感、物づくりに対する当時の来日した欧米人の評価を紹介しよう。
「読み書きが普及していて、見聞を得ることに熱心である。(略)彼らは自国についてばかりか、他国の地理や物質的進歩、当代の歴史についても何がしかの知識を持っており、(略)ヨーロッパの戦争、アメリカの革命、ワシントンやボナパルトについても的確に語った」(カルブレス・マシュー・ペリー/アメリカ)
江戸時代末期の日本。武士の識字率はほぼ100%、庶民の就学率、識字率においても共に世界一の水準であったという。
日本人の旺盛な好奇心と勤勉さに、来日者たちは一様に驚いている。
「この国ほど盗みのない国はほとんどないであろう。強奪は全くない。窃盗はごくまれに耳にするだけである。それでヨーロッパ人は幕府への旅の間も、全く安心して自分が携帯している荷物にはほとんど注意を払わない」「正義は広く国中で遵守されている。(略)裁判所ではいつも正義が守られ、訴えは迅速かつ策略なしに採決される。有罪については、どこにも釈明の余地はないし、人物によって左右されることもない」(カール・ベーテル・ツュンベリー/スウェーデン)
現代日本人もうらやむほどのリポートだが、遺失物が持ち主のもとに戻ってくる確率の高さは今なお、来日者を驚かせる日本のすごさだ。
「あらゆる種類の工芸において、日本人は疑いの余地もなく、卓越した能力を示している。(略)精巧な技術が表現された工芸品などに接していると、私は何のためらいもなく、それらがヨーロッパの最高の製品と比肩し得るのみならず、日本人はこれらの各分野で、われわれには真似のできない(略)作品を生み出すことができると言える」(ラザフォード・オールコック/イギリス)
温故知新。日本人自身が日本人について再発見するべきことは少なくない。
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次回(5月6日)は、「同一家族同胞主義を貫いた日本人将軍」をお届けします。