コラム・週刊Blessed Life 165
2021マスターズ、松山英樹の歴史的な快挙!

新海 一朗(コラムニスト)

 マスターズの歴史始まって以来、日本人プレーヤー、アジア勢のプレーヤーで初めてマスターズを制する男が現れました。すごいことです。

 ゴルフ史上に名を残す堂々の戦いぶり、そして優勝でした。世界が驚いています。アメリカは悔しがっているということになるでしょう。

 米国ジョージア州のオーガスタで行われるマスターズは大変な重みをもった大会ですが、その舞台で、日本人選手が優勝を勝ち取るという素晴らしい成果をもたらし、興奮冷めやらず、今でも、日本中のゴルフファンが大騒ぎです。

 4日間にわたる激闘を制したのは、何と、日本人の松山英樹でした。松山英樹(日本)、W.ザラトリス(米国)、X.シャウフェレ(米国)の3人がもつれ合う展開で、終わってみれば、松山英樹が通算10アンダー、ザラトリスが9アンダー、シャウフェレが7アンダーで決着しました。

 最終日、じりじりとスコアを落とす松山英樹を、執拗(しつよう)に追い上げるザラトリスの出来栄えがギャラリーを沸かせる一方、松山は優勝を意識し過ぎてか、一時は13アンダーで独走と優勝をほぼ確実にしたと思われながらも、スコアを落としていきます。

 ザラトリスの食らいつきが非常に気になる展開で、それを辛うじて振り切ったということになりました。
 最終決戦日、18番ホールへの旅路は、見る方もプレーする本人たちも緊張しっぱなしでした。

 いずれにせよ、初日から好発進、4日間にわたって好調を維持し、ひょっとしたら今回は奇跡が起きるかもしれないという期待感を十分に持てるプレーを見せてくれたのが、われらの松山英樹です。あえて、「われらの」と申し上げましょう。

 優勝したからこそ言える話ですが、明らかにこれまでとは違う松山を見たということになるでしょう。精神的にタフになっている、心の乱れが少ない、自分を信じている、スイングがいい、いろいろと論評することができると思います。

 まあ、どうでもいいのですが(いや、よくない)、とにかく、優勝するということは重要なことです。優勝できることとできないこととでは雲泥の差です。
 だからこそ一つ一つのプレーの中に魔物が住んでいるのです。反対に神も住んでいます。松山英樹、あなたは偉大なプレーヤーであると、心からたたえたいと思います。

 今回のマスターズを振り返ると、初日から最終日まで、主人公は日本の松山英樹であったと言ってよいでしょう。ひときわ目立っていました。他を寄せ付けないすごさが感じられました。堂々とした感じがありました。

 世界がコロナ禍の中で、沈鬱(ちんうつ)な状態になっている時、日本も同じく抑圧された社会生活を送り、これといった楽しみもない日常を過ごしています。その時、日本人に計り知れない喜びと興奮を運んできてくれたのが松山英樹です。

 松山英樹の優勝を見て元気をもらい、「よし、俺も頑張ろう」「私も頑張らなくちゃ」と気を取り直している人々が少なからずいると思います。
 松山英樹、ありがとう! 心からありがとう!