https://www.kogensha.jp

松本雄司氏の
夫婦愛を育てる16のポイント 19
8 夫婦の財布①

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第15弾として、「夫婦愛を育てる16のポイント」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 『愛の知恵袋』でおなじみの松本雄司氏が『祝福家庭』誌に連載していた「夫婦愛を育てるために」の書籍版です。男と女の違いから夫婦の愛・夫婦生活に至るまで、ポイントを分かりやすく解説し、まとめています。

松本 雄司・著

(光言社・刊『夫婦愛を育てる16のポイント』より)

夫婦の財布

ある家庭での衝突
 「きのうもけんかになってしまいました」と、その婦人は話し始めました。

 彼女としては、今の収入では到底やっていけないので、そのことを言っただけなのに、夫が急に怒り出したというのです。

 「うるさいね。こんな時こそ、妻が一生懸命働いて、支えるのが当たり前じゃないか!」

 「私だって、いろいろと忙しいのよ!」

 「いったい、何に、忙しいというんだ!」

 「み旨もあるし、パートもあるし、家事も子供も見なくちゃいけないし、近所のつきあいだってあるのよ! あなたのほうは、夜はテレビを見ているだけじゃないの!」

 「気分転換するのが何が悪いんだ! 私の仕事がどれくらい大変なのか、君は分かっていないんだ!」

 「じゃあ、借金は、どうしたらいいの……」

 このような口論になってしまい、二人とも口をきかなくなってしまいました。

 事の始まりは、夫が職場をリストラされ、再就職したため、収入が半減したことが原因でした。夫は、土日も仕事に出て働いているのですが、収入が追いつかないのです。

 妻もパートに出ているのですが、それでも収入は足りず、カードローンに頼ってしまったことが、さらに、事態を深刻にしてしまいました。

 二人は、これからどうやって家計を立て直していこうかと、思案に暮れているのです。

国家破産と離婚
 韓国では、この十年間に離婚件数が、三倍に激増しました。中でも、結婚二十年以上の熟年層の離婚と、自殺者が増えたのです。

 その大きな原因の一つが、一九九七年の「IMF事態〈国家財政破綻(はたん)〉」による企業倒産、大量失業に伴う家計の破綻であると言われています。

 これは日本も同様で、もともと増加しつつあった離婚件数を、さらに加速させたのは、バブル崩壊後の不況、倒産、失業でした。日本でも同様に、熟年層の離婚が急増し、中年男性の自殺者が増えています。

---

 次回は、「夫婦の財布②」をお届けします。