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2023年12月21日

アッパ、オンマという呼ばれ方

最近、真のお母様が御自身のことをよく「ワンオンマ」と表現されています。韓国では、「一番のお母さん」という意味で使われる言葉のようですが、遠く、見上げるような存在としてではなく、幼子が無条件に母親を慕うような姿勢で、お慕いする気持ちを育んでいくことが願われているのだと思います。


 
 韓国語で「アッパ」、「オンマ」は、父母に対する親しみを込めた呼称で、日本語では「パパ」、「ママ」に該当します。


 ただ、日本人にとっては、そもそも「オンマ」という言葉自体、使い慣れていなくて、あまり情感が伴わないということがあるかもしれません。
 そんなときは、家庭の中で、普段から「アッパ」、「オンマ」という言葉を使ってみるのも一案です。

 実は、我が家でも、子どもたちは私たち夫婦のことを「アッパ」、「オンマ」と呼んでいます。日日家庭なのですが、共に韓国に留学経験があり、家族で韓国生活を送っていた期間もあったため、家庭の中ではいつの間にか「アッパ」、「オンマ」という呼称が定着しました。


 日本に帰国して10年、上の子は既に高校生になりましたが、特に違和感なく、「アッパ」、「オンマ」で通しています。(最近は照れくさいのか、「アッパくん」、「オンマくん」という奇妙な呼ばれ方をするときもありますが)。

 不思議なもので、日本人にとって「アッパ」、「オンマ」という言葉は、「パパ」、「ママ」とはまた違った情感を抱かせます。日本人にとって「パパ」、「ママ」という言葉は近すぎて、子供が成長するにつれ、呼ぶほうも、呼ばれるほうも、何となく恥ずかしさを感じるように思います。


 その点、「アッパ」、「オンマ」は、外国語だからか、日本人にとって少し客観的な響きがあり、「パパ」、「ママ」よりも気軽に使えるのかもしれません。しかし、そう呼ぶことで培われる、韓国の深い情の世界というものが、確かにあるのではないでしょうか。

 日本の二世教育では、初期の頃から韓国の家族文化を相続しようということで、自分より年上の二世に対して「ヒョン」・「オッパ」(お兄さん)、「ヌナ」・「オンニ」(お姉さん)と呼ぶことを実践してきました。そう呼ばれたほうも、年下の二世を自分の「トンセン」(弟・妹)として面倒を見るという関係が、自然とできあがっていたと思います。


 そのおかげか、初めて会う二世でも、このように呼んだり、呼ばれたりすることで、一気に兄弟姉妹として情が近づくという文化ができているように感じます。使う言葉を変えることで、人間関係の距離感も変わってくるということなのでしょうか。

 同じように、私たちが「アッパ」、「オンマ」という言葉を生活圏で情感を持って使えるようになるとともに、真の父母様を「ワンアッパ」、「ワンオンマ」としてお慕いすることは、真の父母様との親子の情的関係をぐっと近づける一つの方法ではないかな、と思うのです。

 ちなみに、韓国では一般的に、成人したら、もしくは結婚したら、父母を「アボジ」、「オモニ」と呼ぶようになるようです。ということは、我が家でも、子供たちがもう少し大きくなったら、「アボジ」、「オモニ」という呼び方に移行するのでしょうか?

 ……どうやら、それに慣れるにはまだ時間が必要なようですが、今は「アッパ」、「オンマ」という言葉を通して家族の情をしっかりと育みつつ、真の父母様との親子の関係も強めていきたいと思います。

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